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事例紹介

Case

出版システム専門書出版

春秋社
新システムへの移行で
処理時間を大幅に短縮

新聞記事の内容《PDF》 A4資料《PDF》

出版ERPシステム
(販売・印税・原価管理システム)
春秋社様(文化通信bBB 2016/8/22 掲載)

株式会社春秋社

創 業 1918年(大7)
資本金 2000万円
従業員 32人(2016年4月1日現在)
本 社 〒101-0021 東京都千代田区外神田2-18-6

 人文書老舗出版社の春秋社は、長年使ってきたオフコンシステムから、光和コンピューターのパソコンシステムに移行し、集計作業の時間短縮や、業務の見直しなどを実現したという。

今年で創業98年

 同社の創業は1918年(大7)で、今年で創業98周年を迎える。戦前に我が国初の『トルストイ全集』、『ドルストエフスキー全集』を刊行したのをはじめとして、戦後は経済部門にも進出し『現代経済学全集』『現代会計学全集』などを発行。

 現在、宗教書を中心に思想、哲学、心理、文学評論、音楽、経済経営などの各部門の専門書を年間80~90点刊行し、稼働点数は約1500点に及んでいる。

カスタマイズの容易さが決め手

 システムは、1996年から大手メーカーのオフコンを使った出版システムを利用してきた。しかし、数年前に保守契約が終了し、ハードも古くなったことから、リプレイスするか、パソコンを使ったシステムに移行するのか検討を始めた。

 導入コストが低いことなどから、パソコンシステムの導入を決め、出版社向けのパソコンシステムを提供しているシステム会社2社を比較して、光和コンピューターのシステムを導入することを決定した。

 システム選定にあたっては、光和コンピューターを訪ねたのはもちろん、同社のシステムを導入している出版社も訪問して話を聞くなど情報収集を行ったと、同社総務部長の井上隆志氏はいう。

 その上で導入を決めた理由を、「対応が迅速だったことと、パッケージが作り込まれていてカスタマイズしやすかったことです」と井上部長は説明する。

 そして、2014年4月頃から光和コンピューターの担当者との話し合いを開始、翌2015年2月頃までに仕様を固め、今年2月に稼働した。

旧システムからのデータ移行で苦労

 今回導入したのは販売管理、印税管理、原価管理のシステム。本社にサーバーを置き、端末は営業部で商品管理用に4台、総務部で印税管理用に2台、製作部で原価管理用に2台を配置した。

 旧システムからの移行にあたり、旧システムと新システムの両方にデータを入力する平行稼働なども行ったが、特に「旧システムからデータを移すのが大変でした」と営業部の山口力也氏は話す。

 ただ、旧システムを20年以上使用し、山口氏が前回のリプレースに携わっていたこともあって、幸いデータの格納場所などを理解していたため、CSV形式でエクスポートして新システムに移すことができたという。

作業時間の短縮で効果

 新システムの稼働から半年ほどなので、まだ手直しを続けている段階だというが、導入の効果として「作業時間が短縮されました」と井上部長は話す。

 オフコン時代は日次更新が必要で、このために1~2時間を要しており、日によっては業務終了後に残業で対応することもあった。それが総務部の負担になっていた。また、営業部で請求データを集計して請求書を発行するのにも時間がかかっていた。

 しかし、新システムになって日次更新の必要はなくなり、月次の締め日に行う請求書の集計・出力は30分ぐらいで終了するようになった。

 また、以前は帳票類をドットプリンタで連続紙に出力し、必要に応じてA4用紙にコピーして利用していたというが、新システムではそのままA4用紙で出力できるようになった。

 そして、専用の複写用紙を使っていた取次への納品書も、新システムへの移行を機に、他社の返品伝票を参考に、A4用紙に10行入るスタイルに変更した。

 「バックアップが万全なので控えを残す必要がなくなりました。伝票の控えをいちいち管理しなくて良くなったのは大きいです」と山口氏。実際、稼働からこれまで納品伝票のトラブルは発生していないという。

 同時に用紙をA4コピー用紙に統一できたことで、用紙のコストを下げることにもつながった。

管理帳票の数を半減

 同社では経営状況について詳細な管理帳票を使って管理しているが、このために作成している帳票類については、新システムでも従来と同じ形で出力できるようにカスタマイズした。

 ただ、同時に「システム移行に合わせて、帳票類をかなり絞り込みました」と井上部長は述べる。以前は毎月、1日がかりで作成していた帳票を、今回半数ほどに削減した。システムの変更を業務改善に結びつけたわけだ。

 物流管理については、同社は東京都江戸川区に自社倉庫を持ち、取次などへの入出庫は本社で行っている。新刊の在庫は本社に置き、毎日、取次の集品がある。

 倉庫では既刊在庫の管理と返品改装などを行っているが、本社で返品伝票の入力を行っているため、ほぼリアルタイムに在庫管理ができている。このため、今のところ本社と倉庫の間をオンライン化する必要はなく、在庫の移動などに週に1~2便行き来しているという。

次のフェーズは電子書籍の管理

 印税管理については、基本的には従来と同じ業務ができるようにカスタマイズしたが、以前のシステムではできなかった実売印税の計算が自動的にできるようになった。

 システムの次のフェイズについて、井上部長は電子書籍の印税計算をあげる。これまで作成した電子書籍は50点ほどで、売り上げ的にはそれほど大きくはないないが、点数が増えてくると、計算が手に負えなくなってくるからだ。そんな将来も見据えている。