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事例紹介

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出版システム

河合出版
高校の採用実績などの管理・分析が容易に

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出版システム
河合出版
(文化通信B.B.B. 2022/4/5 掲載)

 

同社の売れ筋シリーズ

 

両角社長

株式会社河合出版

代表者 両角恭洋
資本金 6000万円
所在地 東京都渋谷区代々木1-21-10
電話 03-5354-8241
設立 1989年9月13日

河合塾グループで出版事業を担っている河合出版は、2020年11月に光和コンピューターの「出版ERPシステム」を導入した。情報分析などが容易になったことで、書店ルートとともに高校での採用も多い同社の営業活動支援に役立っているという。

河合塾のノウハウを広く提供

同社は河合塾の講師陣を中心に、一部大学教員が著者となり、そのノウハウを広く受験生に提供することを目的に出版活動を行っている。そのために大学入学共通テスト関連をはじめとして、一般の大学入試科目は全教科に対応した問題集・参考書を刊行する。
「いまでこそネットでいろいろな情報にアクセスできますが、河合塾の講義を受けたくても遠方で受けられない人や、一度受講してさらに学びたいというニーズに応えるための本づくりをしてきました」と両角恭洋社長は自社の役割を話す。
年間の刊行点数は年度版や改訂版を含めて120 点ほど。このうち約30点は市販をしない高校専用品の共通テスト対策問題集。書店ルートで販売する市販品は、共通テストの「過去問レビュー」「総合問題集」、国立大対策の「入試攻略問題集」といったシリーズや一般の入試参考書・問題集だ。
なかでも河合塾の「全統模試」や「予想問題」を収録した「総合問題集」は”黒本”の通称で知られる共通テスト対策の売れ筋シリーズ。また、英語の長文対策「やっておきたい英語長文」シリーズ、定評のある現代文の「入試現代文へのアクセス」シリーズ、そして理系を目指す受験生の定番となっている『良問の風 物理』「物理のエッセンス」シリーズなどが知られている。

仕事の仕方変えて汎用システムに

以前の基幹システムは、河合塾が模試の成績情報処理のために導入していた大型のホストコンピューターを利用して、1970年代から独自開発のシステムを利用してきた。しかし、システムの老朽化が進んだことや、技術者がいなくなってメンテナンスが難しくなっていたことなどから汎用システムを導入することにした。
「独自構築のシステムは仕事に合わせて作ることができますが、構築・運用に労力も費用もかかります。むしろ仕事の仕方を変えることでパッケージをべースにしたシステムを導入することにしました」(両角社長)という考えだった。
複数のシステム会社から提案を受けたが、「出版社向けシステムでは最大手で、いろいろなケースを知っていて安心できたから」と光和コンピューターを選んだ。
導入したのは「販売管理システム(取次・直販)」、「資材原価管理システム」、データ分析を行う「Bl ツール(Data Nature Smart)」。
かつてのシステムはセキュリティーが強かったこともあり、データの抽出・加工が難しかったが、新システムはCSVでの出力が容易に。また、「BIツール」によってグラフや表をカスタマイズできるようになった。「使い勝手がよくなりました」と営業部・中村雅仁課長は述べる。
同社の商品は高校専用品以外の市販品でも、高校の教員からの指名で採用されることが少なくない。「高校などから直接注文をいただくケースも多く、一県で年間数千冊の採用ということもあります。採用時期から逆算して見本を送るなど営業活動をしています」と中村課長。
そうした採用の学校、数量、時期といった実績を管理することは、次年度の営業活動に欠かせない。合わせて、インテージの「書店POSシステム」で取得する販売データから年度版の制作部数を推定するといった分析も行っている。
「当社の本は刊行から10年ぐらいかけて売れ筋に成長していくなど、主に口コミで浸透していきます」と両角社長。そんな出版活動を支えることをシステムに期待している。