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事例紹介

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ほんたす ためいけ 溜池山王メトロピア店
セルフレジなど新技術で無人運営可能に 会員数8500人を突破

書店システム
ほんたす ためいけ 溜池山王メトロピア店
(文化通信 BookLink 2024/3/26 掲載)

東京メトロ溜池山王駅の山王パークタワー側改札外(地上出口8番付近)にある店舗

日本出版販売株式会社(日販)が株式会社丹青社と連携し、東京メトロ銀座線・南北線溜池山王駅構内にオープンした完全無人書店「ほんたす ためいけ 溜池山王メトロピア店」は、品揃えの適正化やコーヒー無料提供サービスなどの販促策により会員数が8500人を超え、リピート率も高いという。

日販は駅ナカ・駅前立地の書店が人件費と賃料の負担で閉店するケースが相次いでいることから、人件費の高騰や後継者不足といった書店が抱える課題に対するソリューションの一つとして「ほんたす ためいけ溜池山王メトロピア店」を2023年9月26日に売り場面積15坪で開設。

LINEアプリによるデジタル会員証での入店管理や、光和コンピューターのセルフレジシステム、ライブカメラによる遠隔接客など最新のテクノロジーによって営業時間中は完全な無人店舗として運営している。

図書カード決済にも対応

入退店は、米RemoteLock社が開発し日本国内で構造計画研究所が提供するスマートロックおよびアクセスコントロールシステム「RemoteLOCK」と、合同会社Oblivionが提供するデジタル会員証サービス「Lメンバーズカード」を採用。利用者は初回のみ店頭のQRコードを読み込んで会員証を発行し、入退店時にドア横のリーダーに会員証をかざして出入りする。

入退店時はスマートフォンで会員証をかざすとドアが開く

レジはフルセルフ型2台を設置。現金を取り扱わないことで運営負荷を軽減させ、クレジットカード決済・交通系IC、各種QRコード・バーコード支払いなど複数のキャッシュレス決済に対応。図書カードも利用できる。また、レジを供給する光和コンピュータでは、用紙交換のメンテナンスが不要な電子レシート機能の提供も可能だとしている

2台設置された光和コンピューターのセルフレジ

図書カードも含めた多様な決済手段に対応する

レジコーナーには商品のバーコードスキャンから決済までの流れを表示しているほか、レジの画面で決済方法などをわかりやすく表示する。また、利用者が困ったときにサポートセンターと通話するためのQRコードをレジ画面下など店内各所に表示して、遠隔サポートの体制も整えている。

実際にオープン後の在庫ロス率はゼロで、万引きも会計ミスも発生していない。

昨年12月からは日販が運営するオンライン通販サイト「Honya Club.com」ほんたす専用ページか、アプリ「ほんらぶ」を利用して店頭在庫検索サービスとお取り寄せサービスを開始。レジコーナー下には取り寄せ商品を受け取るボックスも設置した。

取り寄せサービスの商品を受け取るボックス

ライブカメラでマーケティングも実施店内には複数のライブカメラを設置しており、日販本社(東京都千代田区)のサポートセンターでは常時1名が店内を目視し、トラブル抑止や災害時の状況把握など緊急事態の対応を行うほか、来店者の属性や動線などをAIにより可視化・分析することで、購買者だけでなく来店者の店内行動データをもとにしたインストアマーケティングを行っている。

店内には複数のライブカメラを設置して緊急時対応やインストアマーケティングを行っている

 20代後半~30代前半の来店も大幅増来店客の属性は男女比が6対4。年齢層は40代後半~60代が全体の40%強を占めるが、オープン3カ月以降はメインターゲットの20代後半~30代前半も大きく伸びているという。

オープン以来、商品構成やサービス内容を絶えず見直しており、当初は同規模同立地店を参考にした品揃えだったが、ビジネス書が売上の3割強を占め、女性を中心に文庫の需要が伸びているといった傾向に対応し、ビジネス、文庫、新書の構成比を高くした。その結果、開店時に比べて在庫は2倍、SKUは7倍まで増加している。

今年2月から5月までコーヒー無料サービスを実施