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事例紹介

Case

出版システム総合出版

バジリコ
短期間でシステム移行を完了
過去のデータから自社の傾向も分析

新聞記事の内容《PDF》 A4資料《PDF》

出版ERPシステム
(販売管理システム)
バジリコ様(文化通信bBB 2015/12/28 掲載)

バジリコ㈱

代表者 長廻健太郎
設 立 2000年7月
所在地 〒130-0022 東京都墨田区江東橋3-1-3
電 話 03-5625-4420

 バジリコは今年5月に光和コンピューターの販売管理システムを、わずか2カ月以内で稼働させた。旧システムからの移行はスムーズで、伝票起票の手間の削減や、過去データの検索が容易になるなどの効果があるという。

稼働点数は約250点

 バジリコは2001年に翔泳社の創業者で編集者の長廻健太郎氏が創業し、早川いくを著『へんないきもの』など、単行本の一般書籍を刊行してきた。現在、営業、編集、管理の3人体制。稼働点数は約250点、新刊は月に1点ほどに抑えている。「自転車操業にならないように、スケジュールにのっとって着実に刊行しています」と経営管理担当の伊藤勲取締役は話す。

 流通・販売は取次・書店ルート。今は日本出版販売、トーハン、大阪屋、栗田出版販売、太洋社、中央社という主要取次各社と取引しているが、創業当初は取次の口座開設が難しく、一時期、出版倉庫会社のサンブック社を通じて流通させていたという。その頃から今に至るまで、物流業務はサンブック社に委託している。

サンブック社の紹介でシステム導入

 システムは当初、プログラマーの経験があった伊藤取締役が自らデータベースソフト「Access」でつくっていたが、刊行点数が増えるに従って作業負担が重くなり、サンブック社の勧めもあって大手ソフトメーカーの出版パッケージを導入した。

 そのパッケージソフトを7~8年は利用したというが、その後、WindowsXPからWindows7へのOS移行時に、システムの入れ替えが必要になり「新たに購入するぐらいの見積もりになった」(伊藤取締役)ことで迷っていたところ、今回もサンブック社から光和コンピューターを紹介された。

デモみてあっさり導入決める

 「データベースソフトはどれも基本は変わりませんが、光和コンピューターのシステムは、それまでのオフコンのような雰囲気のシステムと違い、新しい感じがしました。デモをみてあっさりと導入を決めました」と伊藤取締役。

 新システムはわずか2カ月弱で稼働した。光和コンピューターのエンジニアが、旧システムの過去データを変換し、商品マスタなどもそのまま移行することができたからだ。

伝票切り替え管理も可能に

 以前のシステムでは、消費税を計算するために、一度データを取り込んで確認しながら手作業で計算する必要があった。そのため、たまに入力違いが発生し、そのたびに再計算しなければならなかった。

 おまけにバックアップのメディアがMOだったという。新システムになってからは、こうした問題は解消された。

 また、書店などに直接納品する場合、これまでは手書きで仮伝票を作成していたが、新システムでは仮伝票を発行すると、本伝票に切り替えられたかどうかを管理することができるため、切り替えないまま放置されてしまうといったミスがなくなった。

重要な過去データの保持

 さらに、旧システムでは過去の取引履歴が10年を超えると明細がなくなり1年分ずつにまとまってしまうという課題もあった。

 特に印税計算では実売印税を採用しているため、半期ごとの売り上げ累計がズレて、過去にさかのぼって確認しなければならないことがあったり、著者から過去の本の印税について問い合わせがあることも。

 同社は「極力絶版にしたくない。コンテンツを残しておけば、電子化といった可能性もあります」(伊藤取締役)という方針もあって、創業当時に刊行した書籍が今でも稼働している。

 実際に、創業まもなくの2002年に刊行した『好きなことだけやればいい』の著者、中村修二氏が、2014年にノーベル物理学賞を受賞。多くの問い合わせがあり重版したが、このときも過去の印税履歴などを確認できなくなっていたという。結局、それまでに発行部数2~3万部だった同書を、ノーベル賞受賞をきっかけに1万部重版することができた。

 今のシステムでは過去のデータをすべて残しているため、こうした事態にも対応できるようになった。また、将来は印税管理システムの導入も考えているという。

過去履歴から自社の傾向を可視化

 また、新システムになってデータ履歴を柔軟に参照できるようになったというメリットもある。稼働点数が増えてきたことから、システム入れ替えに合わせて刊行物のジャンルを登録したが、それによって見えるようになったことがあるという。

 「過去データを検索しやすくなったので、分野ごとの動きなどを参考にするようになりました。そうすると当社は結構ノンフィクションが強いといったことに気付かされたりします。そうやって自社の得意、不得意といった身の丈が見えるようになってきました」と伊藤取締役。

 こうした売れ行きの分析から、書店から見た自社の印象なども見えるようになってきたことから、新刊を刊行するとき販促用FAXを流すために参考にするようになったという効果も現れているという。