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出版システム

株式会社電気書院
eラーニング「E +アカデミー」をスタート 出版ERPシステムともAPI連携

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出版システム
株式会社電気書院
(文化通信 2023/8/29 掲載)

 

電気書院・田中社長

『電気計算』2023年9月号

株式会社電気書院

設 立 1933年3月
資本金 5400万円
代表者 田中聡
所在地 本社:〒101- 0051 東京都千代田区神田神保町1-3 ミヤタビル2F
支社:〒604-8214 京都府京都市中京区百足屋町385-3 リヒトサール2F
電 話 本社:03-5259-9160

電気電子工学関連の出版活動を中心とした事業を行う株式会社電気書院は、長年にわたって光和コンピューターの出版ERPシステムを利用してきたが、web通販(EC)事業や昨年開始したeラーニング事業「E+アカデミー」との連携など、新たな事業への対応も進めている。
同社は1933年に初代の田中久四郎氏が大阪で創業し、 電気工学専門月刊誌『電気計算』の発行と通信教育を開始。戦時中の1945年4月に本社を京都に移し、同年9月に東京出張所を開設。1964年には本社を東京に移転し、現在も東京と京都の2拠点体制をとっている。
刊行物は創業時に創刊した『電気計算』の発行を続けるとともに、電気主任術技者や電気工事士といった国家資格試験のテキスト・問題集を中心に、それに付随する技術書・専門書、さらに土木・建築、機械、環境・エネルギー系、福祉・医療などの分野で書籍を出版。改訂版を含めて年間65~70点の新刊を刊行している。
販路は取次・書店ルートがメインだが、工業高校等の教育機関、電力会社等の企業・団体への直販や、ECサイトを通した個人への販売にも力を入れている。

事業再構築補助金でeラーニング事業

さらに、2002年には、長年のテキスト作りで培ってきた工学系資格分野のノウハウを生かしたeラーニング「E+アカデミー」のサービスを開始。自社テキストの著者を講師にした動画を社内で制作しオンラインで配信。電気主任技術者の第2種、第3種、ビル管理士、QC検定で8タイトル、約200講座を提供している。
「E+アカデミー」の特徴は、グループの受講者管理ができる点。企業が従業員の資格取得のために利用するような場合、受講者ごとの受講率や問題正答率など進捗管理ができる。「個人が利用するだけならYouTubeの動画を視聴することもできますが、社員の資格取得を目的にするような場合は、成果を可視化することが大事になります」と田中聡社長は自社サービスの有効性を説明する。
また、開発に当たっては事業再構築補助金を活用した。田中社長はこれより6年程前に展示会で制作会社と出合ったことで構想を温めていたが、取引がある京都中央信用金庫から事業再構築補助金の話を聞いたことで、2021年に申請し事業化を果たした。
田中社長は補助金を活用するメリットとして、費用負担の軽減とともに「新しいことを始めるときに、社内全体で『やるしかない』と協力体制を作りやすくなりました」と話す。

「出版ERPシステム」新サービスと連携

基幹システムは1999年から光和コンピューターの「出版ERPシステム」を使ってきた。「雑誌の年間購読者向けの柔軟な対応や、直販業務の効率化に大きく寄与してきました。取次業務では返品データを取り込むことで手入力の手間が省け、かつ正確な入力が可能になりました」と田中社長はシステムを評価する。
2013年にはECサイトのリニューアルも光和コンピューターが担当。出版社ならではの要件に対応し、ERPシステムとの連携も図られた。「E+アカデミー」のシステム構築時も、ECサイトで講座を購入するとアカウントを発行できるようAPI連携にも対応した。
2022年には光和コンピューターが提供する書誌データ提供支援サービス「K-PRO」の利用も開始。従来手作業で行っていた出版情報登録センター(JPRO)や取次各社、Amazonなどへの書誌データ提供を一元化し、ミスが減るなどの効果があるという。
田中社長は自社の事業について、「高品質で安価な書籍を発売日と同時に全国どこでも購入できる日本の出版業界は素晴らしいと考えています。しかし、出版業界が縮小傾向にあるなか、出版を守るためにも新しい分野やサービスの模索を続けていく必要があります」と述べ、それを支えるシステムに期待を示している。