株式会社イースト・プレス
電子売上過去最高を記録 PUBNAVIが支える電子書籍事業
出版システム
株式会社イースト・プレス
(文化通信 2026/3/31 掲載)


悪役令嬢に転生したら理想の部屋が手に入りました!
新たなオフィスに設けたライブラリー
株式会社イースト・プレス
| 設 立 | 1989年4月5日 |
|---|---|
| 代表者 | 永田和泉 |
| 従業員 | 32人(2025年9月30日現在) |
| 資本金 | 2220万円 |
| 所在地 | 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-17 廣瀬ビル7階 |
株式会社イースト・プレスの電子書籍事業は、今年2月に過去最高売上を記録するなど、近年成長を続けている。2025年春に、出版ERPに続いて光和コンピューターのSaaS型電子書籍売上・印税管理システム「PUBNAVI」を導入し、印税支払いの手間を大幅に削減。事業拡大を支えている。
同社は一般書籍、ビジネス書、翻訳書、コミック、単行本、児童書、小説などを刊行する中堅の総合書籍出版社。年間120タイトルほどの新刊を刊行する。新刊のうち単行本の割合が55%、コミックおよび文庫の割合が45%となっており、稼働点数は1900タイトルほどだ。
電子書籍はコミックが8割ほどを占める。単話売りもあるため稼働点数は7000タイトルほどになる。ジャンルはBL、TL、一般女性向けのコミックが中心だ。
「単話売り」に注力し売上拡大
同社の電子書籍刊行は早く、最初は草創期だった1990年代後半。その後、10年ほどたち、スマートフォンの普及で電子コミックの市場が拡大した2010年頃から、EPUBによる電子書籍化を本格化させた。
現在では紙で刊行するコミック、書籍は基本的に全タイトルを電子版でも発売している。コミックとライトノベルは紙と電子を同時発売し、一般書についても同時発売に向けて社内体制を整えている。
コロナ禍以降、電子書籍売上が急拡大し、売上全体の4割近くに達している。市場の広がりという環境要因も大きいが、電子コミックの配信アプリに力を入れたことも奏功している。
それまで電子書店での単行本中心だった販売を、ここ1年ほどはLINEマンガやピッコマをはじめとしたアプリによる「単話売り」を強化。それにより売上のベースが上がった。
加えて、今年2月には売れ筋作品の岡野く仔著『悪役令嬢に転生したら理想の部屋が手に入りました!2』がブレイクしたことで、電子書籍の月間売上で過去最高を達成した。
同作品は25年9月に発売した1巻の売れ行きが良く、2巻の発売に合わせて各電子書店でこれまでにない販促策を展開した。
「この作品は読者対象が広く、読んでいただければ広がるという手応えを得ていたので、立ち読みを通常の15ページから40ページに増やしました」とデジタルコンテンツ部・中村郁子部長は話す。この結果、値引きキャンペーンを行わなくても1巻に比べて2倍以上売れ行きが伸びた。
移転でコミュニケーション活性化
同社は今年1月19日、事務所を現在の千代田区神田錦町に移転した。「以前の事務所は編集とそれ以外の部署が2フロアに分かれていたため、社内コミュニケーションをとりづらい環境でした。そこで、社内コミュニケーションがとりやすい環境にしたく、ワンフロアの物件を探しました」と総務部・鈴木直美部長。
移転に際しては、各部署から立候補した5人の引越しプロジェクトチームを立ち上げ、各部署からのヒアリングをもとに、レイアウトから棚、机などの什器選定まで行った。棚は高さの低いものを中心に選定し、開放感を意識した。その分、約半分の荷物を整理することになったが、全社員を巻き込みワンチームとなってミッションに取り組んだ。オフィス移転という思い切った環境の変化により、チームビルディングにも一役買っている。
電子書籍の販促で編集部門と相談することが多い中村部長は「以前はフロアが分かれていたのでどうしてもコミュニケーションを躊躇(ちゅうちょ)することがありましたが、編集と隣接するようになってコミュニケーションのロスがなくなりました」と効果を実感している。
PUBNAVI導入で作業負担大幅減
PUBNAVIの導入について、印税計算を担当する鈴木部長は、「それまで電子書籍の印税計算はExcelへの手入力でした。それを何とかできないかと考えていたところ、販売管理などのシステムを利用してきた光和コンピューターから提案をいただきました」と経緯を説明する。
以前は、印税計算用に組んだExcelに、各電子書店からの売上報告を入力し、電子書籍用の著者マスタから印税率などの情報を転記して計算していた。
電子書店ごとにデータフォーマットはバラバラで、それを直しながらの毎月の売上入力に2、3日かけていた。さらに入力ミスを防ぐため、契約書と照らし合わせるチェックも必要だった。
PUBNAVI導入後、電子書店からの売上報告入力作業は、異なるフォーマットも自動的に読み込めるため、ドラッグ・アンド・ドロップで終了する。この作業を毎月のルーティンにしておけば、年2回の印税計算もワンクリックで処理できる。印税率など契約情報もPUBNAVIの印税契約マスタに登録しておけば転記の必要がないので入力ミスも発生しない。「劇的に楽になりました」と鈴木部長は評価する。
システムと社内コミュニケーション活性化で、さらに電子書籍の売上拡大を目指している。
光和コンピューター