一迅社
書店情報管理システム
書店情報管理システム《出版ERP:データ分析》
株式会社 一迅社 様 (文化通信bBB 2009/7/23 掲載)
株式会社 一迅社
本社所在地 | 東京都新宿区新宿2-5-10 成信ビル8F |
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創 業 | 1992年(平成4年)8月 |
代表者 | 代表取締役会長 原田 修 |
事業内容 | 雑誌・書籍の出版など |
資本金 | 1000万円 |
社員数 | 60名(2008年6月現在) |
出版基幹システムで全社的管理を実現!
ゲームコミックやレディコミックなどを中心に出版活動を続け、合併時の2005年から4年間で売上高を倍増させ、30億円台に乗せた一迅社。08年には10~20代がコアターゲットの男性向けライトノベル「一迅社文庫」を5月に創刊、2ヵ月後の7月には同世代の女性向けライトノベル「一迅社文庫アイリス」を創刊させ、さらなる業容拡大を目指している。
同社では在庫管理や出荷業務などを出版倉庫会社の大村紙業に委託してきた。在庫・入出庫・返品データなどをリアルタイムで提供する大村紙業の「Webサービス」からデータを取り込んでエクセルで加工し、取次への請求書を発行していた。また、7年前からPネット経由でPOSデータを収集、それと倉庫データを合わせ、販売分析などを行ってきた。
主力商品のゲームコミックがコミック専門店から一般書店へと浸透、販売する書店が広がる一方、コミックスシリーズも女性向けの「ゼロサム」や男性向けの「REX」、ガールズラブの「百合姫」、ゲーム系の「DNAメディア」などと多様化したことから本格的な出版社基幹システムの導入を検討はじめた。
光和コンピューターの出版社基幹システムを導入するにあたっては半年近くの打合せを繰り返し、07年の「販売管理システム」を皮切りに「印税原稿料支払システム」、「制作・原価管理システム」と順次導入。それまでの手作業によるデータ加工と違い、大村紙業のWebサービスのデータを毎日自動的に「販売管理システム」に取り込むことで、請求書発行の作業負担は大幅に削減されたという。
また、08年10月には光和コンピューターに要望を伝え、基幹システムにエヌジェーケー社のデータ分析ソフト“簡単操作のBIツール「DataNature/E」”を取り入れ、データ加工が自由な「Data分析サブシステム」を稼動させた。これにPOSデータを取り込み、法人別、個店別に販売を管理する一方で、県別、エリア別、取次別でもシェアを割りだせるようにした。ムダな配本を抑制し、将来的には指定配本する意向もある。
一迅社では全国に350店の特約店がある。特約店には定期的に拡材などを提供し、認知度の向上と拡売を図ってきた。書店のPOSデータ解析が可能になったことで、今夏から特約店を見直し、販売実績に基づいた「協力店」へと移行。取次の配本に依存していてはロスも大きい。協力店は希望数を満数出荷するほか、大村紙業が加盟する倉庫ネット経由で補充・客注も必要数をスピード出荷、売り伸ばしを強化している。個店別のフェア提案も実施していく考えもある。
出版社にとっての財産は《人材》、とくに編集者の力は大きい。「制作・原価管理システム」と「販売管理システム」を駆使することでアイテム別の収支を管理し、それぞれがどれだけ利益獲得に貢献したかを数値化。トータルで部門や編集者個人を総合評価し、モチベーションを保持させつつ、業績向上に確かな効果をもたらせた。