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事例紹介

Case

出版システム学参系出版

日本漢字能力検定協会
システム化で労力を大幅に軽減
作業の適正化・透明化も実現

新聞記事の内容《PDF》 A4資料《PDF》

出版ERPシステム
(販売原価管理 出版POSシステム)
日本漢字能力検定協会様(文化通信bBB 2015/7/27 掲載)

公益財団法人 日本漢字能力検定協会

創立年 1992
本 部 〒600-8585 京都市下京区烏丸通松原下る五条烏丸町398
(075)352-8300
東京事務局 〒100-0004 東京都千代田区大手町2-1-1大手町野村ビル
(03)5205-0333
代表者 代表理事  会長   高坂節三
代表理事 理事長  久保浩史

 (公財)日本漢字能力検定協会は2013年に光和コンピューターの原価管理システムを導入し、それ以前から利用してきた販売管理システムもリニューアルした。これにより、入力作業やデータのチェックなどの労力が大幅に軽減されるとともに、作業の適正化、透明化にも結びついているという。

漢検の過去問などを刊行

 同協会は、年間で200万人以上が志願する「日本漢字能力検定(漢検)」を実施しているほか、日本語を母語としない人向けの「BJTビジネス日本語能力テスト」、学校や企業など団体を対象にした「文章読解・作成能力検定」を実施しており、これら検定・テストの問題集や参考書、漢字や日本語に関する教材を発行している。

 2014年度には、新刊として「漢検」の過去問題集(1/準1級から10級までの)11種と、小学生向け問題集6種、『漢検 漢字辞 典第二版』を刊行した。販路の約8割は取次・書店ルートで、あとは学校などへの直販と代理店(教科書特約供給所等)などのルートがある。

 従業員108人のうち、検定・編集部で出版に携わっている職員は京都の本部に8人、東京で主に営業を担当している2人の計10人だ。

出版ネット&ワークスに物流委託

 光和コンピューターの販売管理システムを導入したのは2005年。それまで利用していたシステムは出版専門ではなかった。システム導入にあたっては複数社から見積もりをとり、カスタマイズが可能だったことなどから光和を選んだ。

 また、このときに物流業務を出版ネット&ワークスに委託し、出荷指示などシステムの連携も行った。

 さらに2013年には原価管理システムを導入し、合わせて販売管理システムのグレードアップも行った。

学校などからの多様な要求にも対応

 販売システムの導入以前は、「伝票と送り状を作る程度のシステムで、請求書などはCSVファイルにして加工していました」と書籍管理チーム・福貴久リーダーは述べる。

 売上比でみれば取次・書店ルートが多いが、「労力では直販が6に対し取次・書店が4」と福リーダー。学校などへの直販は、公費用の請求書が必要となり、請求書の宛先や記載方法について学校ごとに細かいルールがあり、かつては「EXCELでの入力作業に1日費やすこともありました」(同チーム・伊家あさ子氏)という。

 こうした手作業がシステム導入で不要となり、コンピューター上で選択すれば自動的に請求書が作成できるようになった。

 また、納期についても学校などからは「今日中に出荷してほしい」などの依頼もある。かつては倉庫への出荷指示が1日1回だったため対応できなかったが、出版ネット&ワークスとのシステム連携により、午前11時までの受注は当日出荷が可能になった。

 また、2005年の導入から2013年のリニューアルまでは、福リーダーをはじめとした実務者がシステムに関わっておらず、「問題が発生してもブラックボックス化しており対応が難しかった」(福リーダー)というが、リニューアルでは皆が関わることで、透明化ができたという。

原価管理システムで作業を適正化

 原価管理については、新刊の刊行点数が少ないとはいえ、問題集・参考書は既刊がほぼすべてが少なくとも年に1回は増刷されるため、実際に管理する銘柄は100点近くになる。

 システム化する前はEXCELで管理していたので、担当者が違うと原価計算の方法が異なることなどが原因で、年度末に締めようとすると違算が出て、過去の資料にあたらなければならなくなるなど、「決算時のチェックに1カ月以上かかっていました」と同チーム・分木麻季子氏は振り返る。

 システム化によって、「原価計算の業務を標準化できました」(分木氏)と作業効率が向上したことに加え、見積もり依頼、発注、支払いといった制作の各段階を踏まないと次に進めなくなったことで、見積もりをとらずにいきなり発注するなどの口約束のみで仕事が進んでいくような例外が生じなくなった。このことで「業務フローの適正化・標準化と組織の透明化につながりました」と福リーダーはシステム化によるもう一つの効果について話す。

Webによる受注を目指す

 このほかに、カスタマイズによって会計システムとCSVデータで連携することを実現。2014年8月からは出版VANを使った受発注も開始している。また、インテージテクノスフィアの「出版POSシステム」で収集した書店の販売データを管理する書店実売システムでデータ分析するようになった。今後の課題としては、プログラム言語を更新することだという。

 そして、システムとは関係ないが、福リーダーは出版業界で多用されるFAXについて「協会にはほかにもいろいろな業務をしている職員がいる中で、出版は他業務に比べてFAXを扱う量が多いです。その分システムへの入力業務が増えます。次のステップとしては、学校や塾といった団体採用品の書籍注文をWeb上でできる仕組みを構築したいと考えています」とさらなる効率化も話す。

 なお、今回の販売システムリニューアルと原価管理システムの導入・運用によって、伊家、分木の両氏は、システムの安定稼働を実現し、販売管理では入力時間の1割を短縮し、原価管理では1カ月半かかっていたチェックをほぼゼロにしたことが評価され、同協会の2014年度職員表彰を受けたという。