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事例紹介

Case

出版システム専門書出版

柏書房
細かい受注区分にも対応
光和コンピューターのPCシステムに移行

新聞記事の内容《PDF》 A4資料《PDF》

出版ERPシステム 「ERP販売管理」
柏書房 様 (文化通信bBB 2009/8/3掲載)

 柏書房は04年8月に光和コンピューターのパソコン販売管理システムを導入した。細かい受注区分をデータ化するなど、データ分析に力を入れているほか、05年からは物流業務をトーハン桶川SCMセンターのQRセンターに委託しており、システム化と合わせて中1日で出庫する体制を整えている。

オフコンからパソコンへ

 同社は専門書を中心に、年間50~60点を刊行し、書店ルートとともに、大学向け営業にも力を入れている。

 早くからオフコンを導入し販売管理を行ってきたが、「ハードの保守ができなくなってきた」(営業部・竹内茂善課長)ため、パソコンシステムに移行した。

複雑なシステムをそのまま移行

 移行に当っては、「当社のシステムは一般的な出版社と比べて複雑」(竹内課長)なため、オフコンのシステムも開発してきた光和コンピューターに、パソコンシステムへの移行も任せたという。

 システムが複雑な理由は、通常は注文、長期といった条件を入力する程度の受注入力作業が、同社の場合は受注の形態まで記録するといったことにある。入力する受注形態は、客注、補充、書店営業、大学営業など8項目に分かれており、このデータを使って市場分析を行うためだ。

 その注文が市場の要求によるものなのか、営業活動の結果なのか、といった分析は、システム導入当初から行っており、「市場をみるためにいろいろな形で利用しています」と竹内課長は話す。

 注文形態以外にも、新刊と既刊の在庫を3年間にわたって各期・月別に製造、売り上げ、常備入出庫、献本、廃棄別に記録したり、売り上げ分析も商品の規模別、取次別、営業・客注などに分けてみているという。そのため、データもこうした分析を行うために入力している。

 こうした作業が必要な注文入力は、専任のアルバイトが当っている。これは電話、FAX、短冊、ネット、営業による受注などを、注文形態を判断しながら入力するためだ。

アップグレードが容易に

 オフコンからの移行時は、年次決算の時期に当ったこともあって、光和コンピューターの担当者もほぼ付ききりで修正作業を行ったが、半年ぐらいで落ち着き、「最近はほとんど問題はない」(竹内課長)状態になったという。

 パソコンシステムに移行したことで、保守の範囲内でできる細かい修正が容易になり、「どんどんグレードアップできるようになった」(竹内課長)という。

 また、情報を共有できるようになって、在庫情報を全社員が確認できるようになったほか、データを各自が加工しようとすると、かつては紙で出力した帳票から再びパソコンに手入力していたが、いまは容易にEXCELなどのアプリケーションに取り込んで分析できるようになったというメリットも大きいようだ。

納品書の枚数を削減

 また、システム導入に伴って、納品書の枚数を削減した。受注入力時に複数の端末で入力した受注伝票をまとめるのか、まとめずに納品伝票を作成するかを指示することができる。

 常備、フェア、新規店などに大量の出荷がある場合は、入力したまま納品伝票を作成し、まとめる場合は、取次、納品日、取引条件、商品区分などでまとめることによって、納品伝票の枚数削減を行った。

 納品伝票の枚数が軽減されたことで、請求書のチェックや過去データ検索の作業が軽減されたという。

物流はQRセンターに委託

 同社は05年に、それまで本社で行ってきた出荷業務と、倉庫会社に委託していた在庫の保管を全面的にQRセンターに委託した。

 入力した受注データをピッキングリストにして出力し、QRセンターにFAXする。その後、修正があれば直し、伝票データを送信して、伝票はQRセンターで出力しているという。これは、修正などをするには紙の方が便利だからだ。

 QRセンターと社内に保管している在庫の情報は1日1回更新しており、この在庫をみながら受注している。毎朝、前日と当日朝までに受注したデータをFAXで送ることで、受注から中1日で出庫する体制を整えている。

印税管理システムも導入

 また、同社では印税管理システムも導入している。専門書を刊行しているため、共著の本が多く、システム導入前は毎月の支払報告書の作成に手間がかかっていたが、システム化したことで省力化できたほか、年1度の支払調書の発行も自動化されたという。