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事例紹介

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出版システム専門書出版

勁草書房
出版VAN対応で在庫ステータス更新迅速に

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書店ERPシステム
出版ERPシステム(販売管理)
勁草書房(文化通信BBB 2018/11/26 掲載)

株式会社勁草書房

設 立 1948年4月12日
資本金 5000万円
代表者 井村寿人
従業員 22人
所在地 〒112-0005
東京都文京区水道2丁目1番1号
電 話 出版事業部
03-3815-5277(編集部)
03-3814-6861(営業部)

 勁草書房は2018年4月に光和コンピューターの販売管理システムを導入し、在庫のリアルタイム管理や常備出荷の入力作業軽減、出版VANによる在庫ステータスの迅速更新などを実現した。

今年創業70周年で新シリーズ創刊

 同社は1948年に創業し、今年70周年を迎えた。大学の教科書をはじめとした人文・社会科学系の専門書を中心に、新刊は年間で約120点を刊行し、在庫僅少の書籍も含めると稼働点数は3000点ほどになる。

70周年を記念して、得意分野をわかりやすく伝える新シリーズ「けいそうブックス」をスタート。判型と造本は四六判半上製、平均価格は本体2500~3000円、ページ数は300~500㌻で、幅広い読者を想定して、同社の平均的な初版部数よりも多い部数からスタートしている。

同シリーズは4月に斉藤誠『〈危機の領域〉』と三中信宏『系統体系学の世界』を刊行したのを手始めに、10月には岸政彦『マンゴーと手榴弾』、11月には北田暁大『社会制作の方法』を発売。このうち『マンゴーと手榴弾』は刊行後すぐに品切れとなり、早急に重版を決めるなど好調な出足。今後も続々と刊行を予定している。

著者選定銘柄で記念フェアを展開

 また、70周年を記念した店頭フェア「著者が選ぶ勁草書房のこの3冊」も今春から展開。17人の著者がそれぞれ同社刊行の書籍3点を選び、この書目を中心にフェアを開催している。合わせて、著者が寄せたコメントを掲載する20ページの小冊子を作成し、フェア開催店で無料で配布している。

フェアは4月のジュンク堂書店池袋本店を皮切りに、東京堂書店、丸善、戸田書店、青山ブックセンター、紀伊國屋書店など今年11月までに主要15店舗で開催、さらに来年3月まで続ける。小冊子はフェア開催中ネットで公開しておらず、「SNSなどで口コミが広がり、店舗に冊子を取りに来るお客様も多く好調」(秋元営業部長)だという。

拡張性の高さで新システムを選定

 以前同社が利用していたシステムは、オフコンで導入したもので、10年ほど前にハードの部品供給が止まったためにパソコンサーパーに移行していたが、オフコン時代のソフトを使っていた。しかし、システムも次のOSに対応しないことになったため、2017年にリプレースを決めた。

「何社か話は聞きましたが、今後、旧システムで行っていた原価管理や印税支払いなどのシステム構築も視野に入れていたので、販売管理、在庫管理以外のシステムもしっかりしている光和コンピューターに決めました」と経理部・山下部長は述べる。

また、同社は在庫管理や出庫業務を本社の地下と1階で行っており、稼働点数や在庫量の増加に対応するため、今後は外部倉庫の活用なども含めた物流業務見直しも視野に入れている。倉庫業者などとの連携実績の多い光和コンピューターの拡張性を評価した。

知り合いがいる他の出版社にも光和コンピューターのシステムを利用しているところが多かったことから、システム選定に当たって、そうした出版社から実際の使い勝手などを聞くこともできた。

ドットプリンター・専用帳票など不要に

 2017年秋に導入システムを決定し、2018年初めから3カ月ほどの平行稼働を経て、取次の年度替わりに合わせ4月に新システムを本稼働させた。

データの移行などは光和コンピューターが担当したが、過去に商品マスタに登録された商品の中には、初版刊行年などが入っていないものもあり、データ移行に合わせ改めて入力した。

システムの移行に伴って、帳票類はすべて変わった。特に5枚複写の取次納品用専用帳票をつくる必要がなくなり、ドットプリンターでの作業もなくなった。「普通紙を使ってレーザープリンターで作業できるようになり、煩わしさがなくなりました」と山下部長。

ハードはサーバー1台とクライアントは営業部、制作部、編集部、倉庫に12~13台を導入。電話注文などはどの部署でも受けて、端末で在庫を確認して入力できるようになった。在庫管理がリアルタイムになり、以前のように電話受注の途中で倉庫に在庫数を確認に行くといった煩雑さもなくなった。

また、旧システムはオフコンからの流れで、入力はキーボードに限られていたため、常備出荷の時期などは、アイテム数分を入力しなければならなかった。しかし、今はCSV形式のデータを取り込むことで一括入力が可能だ。

「大型店の場合、選択常備で入力項目が1000件ほどにもなっていましたが、今はISBNと冊数のテキストデータをつくるだけですみます」と山下部長は作業の変化を話す。

出版VANにも対応

 今回の新システム移行では、出版VANへの対応も行った。いまはまだEDIまでは行っていないが、在庫ステータスの更新に利用している。

以前は、システムからデータを抽出し、営業担当者が加工して取次各社に送っていたため、1ヵ月に1~2回程度しか送ることができなかった。この結果、ネット書店での「カート落ち」なども発生、改善が求められていたという。