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事例紹介

Case

出版システム専門書出版

近代セールス社
定期購読と直販・取次のシステムを統合

新聞記事の内容《PDF》 A4資料《PDF》

出版ERPシステム
(定期購読・直販取次納品システム)
近代セールス社様(文化通信bBB 2016/11/7 掲載)

㈱近代セールス社

設 立 1956年9月1日
資本金 3000万円
代表者 福地健
社員数 50人
本 社 〒164-8640 東京都中野区中央1-13-9
電 話 03-3366-2761

 金融分野で雑誌や書籍を発行している近代セールス社は雑誌の定期購読、書籍・雑誌の直販・取次納品の業務を、従来はそれぞれ別のシステムで管理していたが、2014年に光和コンピューターのシステムを導入することで、両業務の管理を一本化することができた。このことでデータの活用や外部からの問い合わせへの対応などが改善されたという。

金融機関向けに雑誌、書籍、通信教育

 同社は銀行・金融関係者に向けて定期雑誌3誌や書籍を発行しているほか、通信教育講座を運営している。1956年に創業し、今年9月に創業60周年を迎えた。

 雑誌は創業と同時に創刊した社名にもなっている『近代セールス』を始め、新入行員などが基礎的なことを学ぶこともできる『バンクビジネス』、ファイナンシャルプランナーや生命保険、金融関係者向けの『FinancialAdviser(ファイナンシャル・アドバイザー)』を月2回刊と月刊で発行している。

 雑誌はいずれも定期購読が中心で、読者は銀行の支店など法人と、そこに所属する行員など個人。販売促進は主にダイレクトメールや営業担当者による販促が中心だが、各誌とも年に4回は1テーマを重点的に取り上げる「総特集号」を発行することで、購読促進につなげている。

通信教育は70講座

 通信教育は70講座ほどを開講しているが、昨年であれば「マイナンバー制度」など、法改正や金融・税制度の変更に伴って、毎年4~5講座の新設講座がある。

 また、日本FP協会AFP・CFP継続教育認定講座も開講しているほか、書籍を作成して講師も派遣する受託講座などの事業も手掛けている。

新刊20点、手帳も発行

 書籍は年間20点ほどの新刊を刊行するほか、年度版等の改訂版も多い。

 また、手帳も制作・販売しており、A5判の大型「デスクダイアリー」、ポケットサイズの「バンカーズダイアリー」、信用金庫職員向け「しんきん手帳」、ファイナンシャル・プランナー向けに金融商品の基礎知識やライフイベントの費用の目安まで収録する「ファイナンシャル・デスクダイアリー」、住宅ローン相談に必要な資料を収録した「住宅ローンアドバイザー手帳」、ファイナンシャルプランナー業務に役立つ資料・計算式などを収載した「FP手帳」と、いずれも実務的な資料を収め、毎年、かなりの数を出荷しているという。

定期購読、直販が中心

 取次・書店ルートは、日本出版販売、トーハン、大阪屋栗田、中央社との取引がある。雑誌の販売は定期購読が中心で、書籍も直販が多いため、取次・書店の営業担当者は1人で、新刊見本や雑誌部決、大型書店への促進を行う。取次や書店からの受注は事務センターが電話やFAXで受けて、スリップと納品伝票を出力する。

 在庫管理は本社と保管用の倉庫2カ所を利用し、直販・取次出荷とも本社で行っている。取次に対しては週に2回出荷し、アマゾンには「e託販売」を利用して千葉と大阪のフルフィルメントセンターに出荷している。

システム一本化が課題

 光和コンピューターのシステムが稼働したのは2014年4月。以前のシステムは、定期購読、直販・取次、通信教育をそれぞれ別に管理していたため、「雑誌を定期購読しているお客様が、書籍をどれだけご購入いただいているかといったデータをみるのが大変でした」と事務センター・中村友美センター長補佐は当時の状況を説明する。

 このため、「一本化できないか」と考えていたところ、たまたま案内が来た光和コンピューターから説明を聞き、通信教育を除いた定期購読と直販・取次を一体管理するため、光和の「販売管理システム(取次・直販)」と「定期購読者管理システム」を導入することを決めた。

時間をかけてカスタマイズ

 システム移行にあたっては、「以前のシステムでできたことで、新しいシステムではできないこともあった」と中村センター長補佐。例えば、雑誌の定期購読者は銀行の支店など勤務先に個人名で送っていることが多く、銀行員は支店間の転勤などが多いが、当初の光和のシステムでは一度登録した得意先が変更できないといった問題があった。

 そのため、こうした機能を追加するカスタマイズには時間をかけたというが、「こちらの要望は、可能な範囲でかなり聞いてもらえた」と中村センター長補佐はいう。

 本稼働後にも、当初の1年程度はこうした改善点がいくつもでたというが、順次修正して現在はほぼ問題なく稼働しているという。

誰でも問い合わせ対応可能に

 導入した端末は、取次、書店からの受注も含めて外部からの問い合わせに対応している事務センターに6台、営業部門に1台、総務部門に1台の計8台と、サーバーも社内に置いている。

 新システムで定期購読と直販・取次を一体化したことで、定期購読者からの住所変更や入金確認など問い合わせや、取次、書店からの在庫問い合わせなどに、「電話を受けた人が担当でなくても、ある程度は対応できるようになった」と中村センター長補佐は話す。

 また、今年6月には、導入前から使っていたハードウェアを入れ替え、LANケーブルやサーバーも一新。OSもWindowsXPから7にアップし、作業速度が速くなったという。