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事例紹介

Case

出版システム

声の教育社
50周年機に新たな視点でブランドカを強化

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出版システム
声の教育社
(文化通信B.B.B. 2022/2/1 掲載)

 


本社社屋1階にある在庫スペース。受験シーズンに向けて出荷はピークを迎える

 


竹野社長

株式会社声の教育社

設 立 昭和48年10月
代表者 中村千尋会長・竹野浩史社長
所在地 〒162-0814
東京都新宿区新小川町8-15
電 話 03-5261-5061
従業員 約50人(契約社員・パート含む)

中学・高校受験の過去問題集などを発行する声の教育社は、会社設立50周年に向けてブランドの強化に取り組んでいる。基幹システムは光和コンピューターの「出版 ERPシステム」を利用。配本管理で返品率の削減などを実現した。

ブランド意識の共有目指す

同社は1962年に当時大学生だった中村千尋(現会長)が小泉邦人(元専務・故人)と起業。当初は中学高校の受験会場に直接出向き、試験問題をその場で解くことからスタートしたという。その後、各学校の試験問題を書籍にまとめて刊行する事業を開始。1973年の法人化から2023年で50周年を迎える。
創業当時は団塊ジュニア世代の成長に合わせて生徒数が多くなる時代だった。「当時は受験者数の増加に合わせて出版していれば順調に成長できた時代だったと思います」と竹野浩史社長は述べる。 1993年には新宿区新小川町に地下と1階に倉庫・出荷場を備えた現社屋も建設した。
しかし、少子化が進む現在、環境は大きく変わった。平成入社の竹野社長がいま力を入れるのは自社ブランドの強化。「『当社の商品は信頼できる』というさらなるブランディングが必要です。50周年を機にその意識を社員全体にいきわたらせたい」という思いがある。

SNSや動画配信に手応え

同社の顧客である受験生は毎年入れ替わるが、ネットで広がる口コミや評判などは次の世代にも伝わる。以前なら書かなかったような使用法の注意書きを問題集に入れるなど、気を使わざるを得ない時代だ。
「使いやすい商品を作って待っているだけではだめ」と、SNSや動画の発信を強化。2013年に開設したYouTubeの「声教チャンネル」では、令和に入ってから数日おきに受験や人気校の情報などを動画で発信している。
こうした取り組みによって、「チャンネル登録者数も増えてきており、『本を買ったけど素晴らしかった』『ママ友に勧めたい』といった書き込みがあるなど、確実に効果を上げています」と竹野社長は手応えを感じている。
竹野社長が少子化とともに脅威に感じるのが教育のデジタル化だ。まだまだ先の話だが、受験が紙の試験用紙からネットワークテストなどになるようなことがあれば、同社のピジネスも大きな影響を受けかねない。コロナ禍での同社業績は堅調だったものの、GIGAスクール構想なども加速している。
そうした環境変化に対応すべく、2015年からは問題集の購入者向けに自社編集者や中高受験の講師が動画で解説する「web過去問」の販売も開始。
すでに中学過去問の解説動画70校強分を取り揃え、男子向け・女子向け別にサブスク形式で販売している。高校過去問も学校数を増やしていく予定だ。

配本管理で返品率を削減

現在刊行する過去問題集は中学250校、高校250 校の計500校。取次・書店ルートでの販売が中心だが、自社サイトでの直接受注も増え、学校・塾への直接販売もある。
光和コンピューターのERPシステムは2013年にそれまでの出版販売管理パッケージソフトに替えて導入。販売管理と著作権管理、原価支払管理のシステムを利用している。
販売管理については、同社の業務に対応するため導入に2年間を要した。問題集を作成している学校以外にも、広告クライアントの学校や学習塾など取引先が多く、CSV形式でのデータ取得や、連携先とのAPI接続などの開発が数多く発生したからだ。
導入効果としては、システム導入に合わせて、蓄積したデータでの分析による配本管理を行うことで、返品率の削減が実現できたという。
著作権管理では、試験問題に採用された論説や小説、さらに図版や写真などの使用許諾や適正な使用料支払いのためにシステムを活用している。
光和コンピューターのシステムについて、竹野社長は「システムエンジニアのフットワークが良く、すぐに対応していただける」と評価。今後については、販売・返品の単品管理を実現し、社内で行っているピッキング作業などの効率化を目指している。