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事例紹介

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出版システム

株式会社世界思想社教学社 
「赤本」適正配本と大学情報発信販売管理とポータルサイトで支援

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出版システム
株式会社世界思想社教学社
(文化通信 2026/10/27 掲載)

 

伊藤次長(左)と岸下マネージャー

世界思想社と教学社の商品

株式会社世界思想社教学社

資本金 1000万円
創 業 1948年
代表者 上原寿明
所在地 〒606-0031 京都市左京区岩倉南桑原町56
電 話 075-721-6500(営業)

大学入試過去問題集、通称「赤本」で知られる世界思想社教学社は、2024 年に販売管理システムを刷新。
処理速度や安定性が改善され、現場の負荷軽減、業務全般の効率化につながった。

369 大学の過去問

同社は学術専門書・教養書の「世界思想社」、学習参考書の「教学社」という2 ブランド体制で事業を展開する。1948 年に世界思想社として事業を開始。51 年に教育図書部門として教学社を併設し、高校副読本の出版を開始すると54 年には「大学赤本シリーズ」の刊行をスタート。『京大入試』など3 点から始まった同シリーズは現在369 大学552 点に達し、「共通テスト赤本シリーズ」や「難関校過去問シリーズ」を含めやると年間刊行点数は約600 点に上る。
2022 年に定期配信を開始したYouTube「赤本チャンネル」では、予備校講師や同社参考書の著者が受験情報を発信。受験生のみならず保護者にも好評で、チャンネル登録者数は8 万人に到達する勢いを見せている。

多様化する「赤本」

「大学赤本」創刊70 周年を迎えた24 年には、象徴の赤を基調としながらも、挿し色やタイトル文字を優しいデザインへと一新した。受験生からは「圧迫感がなく親しみやすい」と変更を歓迎する声が上がった一方、中高年世代からは「あの〝圧〟を感じるデザインがやる気を起こさせた」と惜しむ反応も届いたといい、営業部の伊藤雅啓次長は「時代を超えて長く愛用されてきたことが大変ありがたい」と感謝を口にする。
昨年度から新しく大学ごとの「おすすめ参考書」欄を設けた。これにより各大学の赤本を軸とした関連参考書の併売が進み、書店店頭では〝大学別〟フェアが企画されるなど、売り場の活性化にも一役買っている。
また、学習スケジュールを書き込む「赤本手帳」、過去問演習で生じた課題を記録する「赤本ノート」や、弱点克服のための「赤本プラス」など、多彩な受験生サポート商品も拡充。営業部・岸下登志夫マネージャーは「各書店の学参コーナーで展開していただき、赤本との相乗効果もあり、売上は年々伸びている」と手応えを語る。

学ぶ人のためにシリーズから売れ筋

一方、世界思想社では1967 年創刊の「学ぶ人のためにシリーズ」が刊行点数300 点を超える看板シリーズとして定着。今春刊行の『ケアを学ぶ人のために』(西村ユミ・熊谷晋一郎編)は発売即重版が決まった。
今月には文芸評論家の三宅香帆さんが大学院の研究者にインタビューした同氏初のルポ『学ぶことが仕事―博士という生き方』を刊行するなど、幅広い読者層を見据え、出版活動の強化を図っている。

ストレス軽減&効率化

同社は2010 年、基幹システムの刷新に伴い、当時約200 の出版社導入実績があり、カスタマイズの柔軟性に定評があった光和コンピューターの販売管理システムを採用した。
ただ、赤本を中心に半年で600 点の新刊、販売特性が異なる2 ブランドの展開という同社特有の形態から、開発は難航。試行錯誤と再設計を繰り返し、2 年を費やして最適なシステムを構築した。
それでも、データ量が設計段階の想定を超えていたこともあり、徐々に処理速度と安定性への不安が露呈。また、導入から10 年以上が経ち、新刊配本に対するアプローチが変化するなどシステムに求める内容も変わってきたことから、光和コンピューターに再設計を依頼し、24 年から新システムが稼働している。岸下マネージャーは「処理速度や安定性の改善によりストレスが軽減され、業務全体を見直したことで効率化につながっている」と再構築の効果を語る。

赤本と大学情報一体のポータルサイト導入

また、同社は自社Web サイトの制作も光和コンピューターに委託しており、24 年の赤本のリブランドの一環でリニューアルを図った。これまで出版情報を中心に発信していたが、新サイトでは大学情報を核に、入試情報や過去問、リスニング音声に解答用紙、合格体験記、さらに動画まで、多様な受験コンテンツを集約した。伊藤次長は「今後もコンテンツの充実を図り、受験生を多角的にサポートしていく」とさらに強化していく構えだ。
光和コンピューターに対して、「赤本などの年度版商品は小部数発行のため出荷調整が必要で、Web 受注の実現に至っていない。書店への導入実績も豊富な光和さんに、書店システムと連携した持続可能な仕組みづくりに力を貸してほしい」と期待を寄せている。