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事例紹介

Case

出版システム雑誌系出版

メトロポリタンプレス
創業時から基幹システムを導入
「小さな会社だからこそシステムは必要だ」

新聞記事の内容《PDF》 A4資料《PDF》

出版ERPシステム《ERP販売管理》
株式会社 メトロポリタンプレス 様 (文化通信bBB 2009/12/28 掲載)

株式会社 メトロポリタンプレス

代表取締役社長 林 定昭
住 所 〒101-0044
東京都千代田区鍛冶町1-4-7
彦田ビル1階
資本金 2000万円
従業員 4人

 メトロポリタンプレスは2009年7月に創業したばかりの出版社だが、設立当初から基幹システムを導入した。「小規模出版社にとって、システム投資は必須」(大沼伸一取締役)という同社のシステム導入について紹介する。

年間20点の刊行を目指す

 同社は元主婦の友社で『話を聞かない男、地図が読めない女』などヒット作を手掛けた林定昭社長と、ダイヤモンド社とファーストプレスで営業経験の長い大沼取締役が創業し、来年1月までに6点の新刊書籍を刊行する。

 日本出版販売、トーハン、大阪屋、大洋社、明文図書と取引口座を開設し、9月に最初の新刊であるチャールズ・M・シュルツ『スヌーピーたちの宇宙旅行』と高柳和江『高柳和江の「輝く生き方」レッスン』の2点を出したのに続き、10月に2点、11月に1点を刊行。2010年は1、2、3月に各1点、年間20点の刊行を目指している。

走りながらカスタマイズ

 システムについては、「どんな小さな会社であっても総務、経理などの基幹システムは必要」と大沼取締役は話す。

 大沼取締役はダイヤモンド社で9年間システム部門に在籍し、その後、営業を経て物流部門も経験したが、同社でオフコンシステムの入れ替えを担当しており、この時の苦労から「システムは最初から整備しておかなければならないことが身に浸みました」という。

 システム会社を光和コンピューターに決めたのは、「各社を比べてもそれほど大きな差はありませんでしたが、小さな会社へのフォローアップがこまめだという印象がありました。なにより柴崎(和博)社長は創業した会社への理解があると感じました」と、前の職場でも同社のシステムを使っていた大沼取締役は述べる。

最初からすべてのデータを蓄積

 最初の新刊配本に間に合わせるため、9月中旬には稼動できるように、小規模出版社用のシステムを導入して、走りながらカスタマイズする方法をとった。

 導入したのは取次業務、直販業務、印税管理のシステム。物流業を委託している大村紙業からメールで送られてくる納・返品、在庫データを日々取り込んでいる。著者マスタや支払い関係のデータもシステムで蓄積しており、「最初からすべてデータ管理していることが必ず近い将来に役に立つ」(大沼取締役)とみている。

 システム導入にはある程度の初期投資が必要だが、「当社はまだ知名度がないので社内業務より、少しでも外に出る必要があります。そのため、ある程度の規模になっても耐えられるシステムを入れておかないと立ち行かなくなる」と考え、そのため「書籍を2点製作できるぐらいの額にはなりますが、この投資は必要なことだと考えました」という。

 特に「小規模出版社は全員が120%力を発しなければならないので、システムはそれを支える力強いメンバーの1人になる」とみている。

2ヶ月以上前に新刊情報提供

 現在、大沼取締役ともう1人の営業担当者が、午前中はデータの整備、午後は書店を訪ねて営業活動を行っている。近い将来、書店の販売データの分析も開始するという。

 新刊配本前には、書店本部への営業や、かつて名刺交換した書店約1000軒にメールやFAXで注文書を送付している。

 事前注文の注文書は刊行の2ヶ月以上前に、書名や定価など書誌データに加え、表紙画像もついた状態で提供している。

 その結果、当初から2000冊余の事前指定を付けて配本することができており、「本の魅力と創業の熱意を感じていただけているのだと思いますが、書店が売れるものを探してよく情報を見ていることも感じます」(大沼取締役)という。

最初からすべてのデータを蓄積

 今後、同社はビジネスとノンフィクションを中心とした総合出版社を目指すとしており、10年春に新しいビジネス書シリーズを立ち上げるために、著者や書店人とのミーティングを開くなど、準備を進めているという。