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事例紹介

Case

出版システム専門書出版

ナツメ社
PC書の縮小をジャンル拡大で支える
「実売」評価を支える書店実売管理システムを導入

新聞記事の内容《PDF》 A4資料《PDF》

出版ERPシステム《書店実売管理システム》
株式会社 ナツメ 様 (文化通信bBB 2010/3/29 掲載)

株式会社 ナツメ社

本社所在地 東京都千代田区神田神保町1-52
創 業 1953年12月28日
代表取締役 田村正隆
事業内容 生活関連図書、パソコン図書、 隔月刊雑誌の販売
資本金 2000万円
社 員 22人
稼働点数 980点(09年3月末稼動点数)
URL http://www.natsume.co.jp/

 実用書・コンピューター書などを刊行するナツメ社は、2009年4月に光和コンピューターのシステムを導入し、営業担当者の書店訪問管理やWeb販売と倉庫在庫データの連動などを実現した。ジャンルの拡大に取り組む同社だが、この戦略をシステムが支える体制を整えている。
 同社は社員22人、新刊を年間200点刊行している。編集部門はグループ会社のナツメ出版企画が担当しており、同社はここから商品を仕入れて販売する形をとる。そのため、導入したシステムは「販売管理」「書店実売」「Webサイト構築・運営」のほか「仕入管理」もある。また、これまではオフコンを利用してきたが、クライアントサーバーシステムに切り替えた。

ジャンル拡大で売上高を維持

 1995年のWindows95発売前後からパソコン(PC)書の市場が急拡大し、同社でも一時はPC書の売り上げシェアが4割に達したという。しかし、PC書市場が大きく変化し、現在ではその比率は1割程度に低下した。

 それでも新刊点数はここ10年横ばいで推移、売上高も従来の水準を維持している。

 これは、PC書の市場縮小に伴って、他ジャンルへの展開を進めたためだ。現在は、PC書、実用書に加え、語学書、雑学書、看護書、保育書などに拡大している。このためにも、書店のデータ管理が重要になっている。「ジャンルが変われば書店も変わります。販売するためにはどうしてもデータが必要です」と村上淳販売管理部部長は話す。

 同社ではPネットの月次データのほか、紀伊國屋書店「Pub Line」、日本出版販売「WIN」をはじめとして、PC書で一定のシェアを持つ量販店のデータも含めて、入手可能なデータは極力収集して、書店実売管理を行っている。

評価の軸を「受注」から「実売」に移す

 また、15年ほど前から、営業の評価基準を「受注」から「実売」に切り替えてきた。「今回の書店訪問管理システムも根底には実売評価の考え方があります。当社は返品率を相当気にしていますし、成果も上がっています。その点は取次会社からも評価されています」(村上部長)という。

営業担当自身が訪問書店を確認

 同社の営業担当者は10人、このほかに地方では契約社員5人が書店を回っている。「書店訪問管理システム」は、各人が訪問した書店、日付、受注した商品、受注冊数、面会者、報告事項などを入力することで、データの共有や集計などが容易になった。

 効果については村上部長は「訪問しているつもりでできていなかったなど、むしろ各担当者が自分で管理できることによるメリットが大きい」と述べる。また、営業の担当地域は3~4年で変更されることが多く、「今までは前任者の訪問記録などを見ることができなかったが、今は担当が変わっても確認できる」(村上部長)という効果もある。

 受注数とPネットなどによる実売データ比較についても、各担当者が行っている。こうした活動を通じて、効率の良い営業を追求している。

Webの更新頻度が上がり売り上げもアップ

 Webはこれまで社内の詳しい人間が構築してきたが、更新などのメンテナンスが大変なため、誰でも更新できるサイト構築を目指した。また、Webでの受注は手作業で倉庫に出庫指示していたが、これを自動化して、合わせてWebの販売サイトと倉庫の在庫状況を連動させることにも取り組んだ。

 現在でもWeb担当を1人おいて検索エンジン対策(SEO)などに取り組んでいるが、新刊書の更新作業などは数人で行うことができるようになった。当初に比べるとWebでの売り上げは30%ほど増加しており、これは「更新が頻繁になったことで来訪者が増えている」(村上部長)ことによる効果だという。

Web専用在庫も確保

 Webでの一般顧客からの受注は、ショッピングカート注文をWebサーバーに蓄積し、同社が物流業務を委託している京葉流通倉庫が1日1回データをダウンロードして出荷している。

 決済方法はクレジットカードとコンビニエンスストア(CVS)支払いの二つを用意しており、いずれもソフトバンク・ペイメントに委託している利用者がクレジットカード決済を利用する場合は、与信が完了し次第、翌営業日に出荷する。CVS決済の場合は、1週間の猶予期間をおいて、支払いが確認され次第、やはり翌営業日に出荷する。

 CVS決済では最長で1週間、在庫の取り置きが発生する。「入金の時期が分からないので、その間に在庫がなくなってしまうとまずい」(伊藤美和子物流管理課課長)ため、通常の流通在庫とは別にWeb用在庫を確保している。商品ごとに基本在庫数を設定し、規定数より少なくなれば自動的に流通在庫から補充する仕組みだ。

 今回のシステム開発に当たっては、京王流通倉庫側でもシステム開発が発生したというが、「同社はシステム面で進んでおり、開発も含めて対応してもらえました」(伊藤課長)という。

 

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