1. HOME
  2. 事例紹介
  3. システム内容別
  4. 書店システム
  5. ニッセン「ほんやチャンネル」を本格開始書店にデジタルサイネージを設置クロスメディア展開で購買に直結するサービス

事例紹介

Case

書店システム

ニッセン
「ほんやチャンネル」を本格開始
書店にデジタルサイネージを設置
クロスメディア展開で購買に直結するサービス

新聞記事の内容《PDF》 A4資料《PDF》

「ほんやチャンネル」を本格開始!
株式会社 ニッセン 様/弊社(文化通信bBB 2011/1/31 掲載)

株式会社 ニッセン

設 立 2007年6月21日
資本金 1億円(2010年6月20日現在)
代表者 代表取締役社長 佐村信哉
本店住所 京都市南区吉陽祥院這登中町18番地

 カタログ通販大手のニッセンは、出版社・書店向けシステム開発販売の光和コンピューターと業務提携し、昨年12月から書店に設置したデジタルサイネージに広告を配信する「ほんやチャンネル」事業を本格化させている。

カタログ設置の協力関係活かす

 「ほんやチャンネル」は、書店店舗に光和コンピューターが提供するデジタルサイネージを設置し、出版物やDVD、CDなど、書店で取り扱う商材の広告や、店舗のイベント告知などを配信する。

 ニッセンは1992年から書店ルートなどでカタログ配布を行っており、多くの書店との協力関係を確立してきた。一方、光和コンピューターは出版社、書店、出版物流会社といった出版関連企業約700社にシステムを提供してきた実績があり、両社の強みを活かすことで、書店空間で新たなメディア事業の展開を目指す。

ネットでのマーケットプレイス型BtoB事業

 ニッセンは年間5シーズン、各シーズンごとに郵送や、書店、コンビニエンスストア、スーパー、ドラッグなどで約1000万部のカタログを無料で配布している。このカタログや商品の配送時にチラシを入れるなどの広告事業は、年間で約40億円の売り上げに達する。

 しかし、「BtoB事業の将来成長のためにはネットでの新たな収益モデルを考える必要がありました。」と西澤敏彦取締役新規事業本部長兼マーケティング本部長は述べる。そこで提案されたのが、デジタルサイネージと書店店頭を組合わせた「ほんやチャンネル」だった。

1枠15秒を1ロール4分で配信

 「ほんやチャンネル」は、書店の店頭に20インチの画面とチラシなどが設置できるラックを組合わせてたサイネージを設置。常時接続のインターネット回線を通じて、1枠15秒の映像広告を1ロール4分の16枠流す。設置する書店側は通信料以外の費用はかからない。

 広告クライアントは現在、出版社が中心だが、今後は映像や音楽など書店で扱う商材に関係する企業に拡大する。また、設置書店のイベント告知など販促情報を発信することも行っていく。

 現時点で設置書店は38店。この段階での広告料金は4分1回15秒枠(掲出回数1日4680回)を4週間掲出した場合で80万円。設置店舗数については早ければ年度内に300店舗に拡大する計画だ。

 有燐堂戸塚モディ店(横浜市)では、エスカレーターを降りた入り口の脇、検索機と並んでサイネージを設置。同店売事業部第二グループ戸塚店長・平原守氏は、「パンフレットを手に取って、画面を見る人も多い」と手応えを話す。

カタログ、モバイルとのクロスメディア

 さらに、「このサービスは単に店頭にサイネージを置くということではありません」と西澤取締役は強調する。
同社は携帯電話からの通販売り上げが年間190億円と、国内最大のモバイルECサイトを運営しているが、「モバイルとサイネージは親和性が高いのです。サイネージをカタログ、モバイルなどとミックスしたクロスメディア広告であれば、直接販売に結びつく導線を生み出すことも可能です」(西澤取締役)という。

書店は無限大の可能性を持つ業態

 同社が書店を設置場所に選んだのは、もともと長年カタログを設置して協力関係ができあがっていたことに加え、「書店は顧客の滞在時間が長く、時間やエリアによって客層が変わるので、どのような顧客に見せるのかを時間やエリアでコントロールできる空間です」とマーケティング本部Webプロジェクト室の秋山美紀室長は書店を選んだ積極的な理由を説明する。

 さらに秋山室長は書店の利点を「書店は人々が何かするときにまず足を運ぶ場所です。そういう来店客は明確な目的があるのではなく、何となく情報を探しているので、その場でブランドスイッチできる場所です」と述べる。

 従来から、同社の顧客の多くは書店にカタログを持ち帰ったというケースが多く、書店にカタログを設置したことで、それまでより客層も獲得人数も拡大したというほど、同社のサービスと書店の親和性は高い。秋山室長は「書店は他の業種と比べて無限大の可能性を持っていると思います」と述べる。

 そういう場所でサイネージによって商品の認知を図り、モバイルと連動して得点などを提供すれば、単に広告にとどまらない直接的な購買に結びつくというのが、このサービスのポイントだ。秋山室長は「最小限の投資でリーチさせたい人にリーチできるサービスです」と有効性を強調する。

書店、クライアントの反応は良好

 一方、光和コンピューターの寺川光男専務は、「書店をホットスペースにすることで、サイネージを設置した書店、そして広告を出していただく出版社の両方の増売につながることを目指しています」と述べる。

 一昨年秋には書店50店でテストランを実施したが、「確実に設置店では売り上げが伸びています」(秋山室長)といい、クライアント側の反応もこれまでのところ「声をかけた出版社はほとんどが積極的に参加してくださり、予想以上に反応がよいです」(寺川専務)という。

 西澤取締役は将来展望として、「本当の意味でのマーケットプレイスとして、広告したい人と広告を載せる人をより広く繋いでいくことが仕事だと考えています」と話す。