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事例紹介

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出版システム

ぴあ株式会社
「PUBNAVI」導入で作業効率大幅にアップ
1週間かかった作業を2~3日で処理

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出版システム
ぴあ株式会社
(文化通信 2024/2/27 掲載)

 

横井氏

紙と電子のシリーズ累計で78万部に達している2点

ぴあ株式会社

所在地 〒150-0011 東京都渋谷区東1-2-20 渋谷ファーストタワー
創 業 1972年7月10日 (月刊『ぴあ』創刊)
設 立 1974年12月20日
資本金 59億62百万円 (2023年3月31日現在)
正社員 331人 (2023年3月31日 現在・連結)

ぴあ株式会社は電子書籍の売上、印税管理のために株式会社光和コンピューターと株式会社メディアドゥが提供するクラウド型電子書籍管理システム「PUBNAVI」を利用している。サービス開始時にいち早く導入したが、それまで手作業だった処理が大幅に効率化し、売上とアイテムが増えても処理する人数を増やさずに対応できているという。

電子書籍を年100点余発行

同社は出版のほかチケット事業など多様なサービスを提供しているが、出版は定期刊行物3誌(『SODA』、『月刊スカパー!』『韓流ぴあ』)とムック・書籍を年間100~ 150タイトル発行している。
ムック・書籍はエンタメ系、ガイド系、スポーツ系などが多く、全体でムックが7~ 8割を占めている。
電子書籍化は2012年頃から刊行をスタートし、2015年頃から本格化して点数を増やしてきた。いまはDVD付や権利処理が難しいものなどを除き、大部分を電子化している。刊行のタイミングも「可能な限りサイマル(紙・電子同時)にしています」とコンテンツ・コミュニケーション事業局マーケティングDX推進部デジタル・流通促進ユニット長・横井秀忠氏は説明する。
販路は電子取次経由が多いが、読み放題サービスなど電子書店との直接取引もあり10社程度と取引し、電子書籍を販売するサイトには一通り提供している。
電子書籍の売れ行きについて横井氏は、「伸びてきていると実感しています。ただ、当社は定期誌と書籍・ムックが中心なので、コミックに比べると伸び悩み始めているという印象もあります」と述べる。
ただ、厚切りジェイソン著『ジェイソン流お金の稼ぎ方』(2023年11月刊、本体 1400円)、『ジェイソン流お金の増やし方』(2021年11月刊、本体1300円)2点の電子書籍版は、同社の電子書籍として最も売れ行きがよく、2点累計で紙・電子を合わせると78万部に達している。「シリーズはお金・投資がテーマのビジネス書なので、電子書籍と相性が良いのだと思います」と横井氏。
また、昨年はWBCでの日本代表優勝で、2017年に刊行した『不可能を可能にする 大谷翔平120の思考』(本体 980円)が電子でも売れ行きを伸ばした。「電子書籍は長期間売れ続けるという可能性を感じました」という。

いち早く「PUBNAVI」利用

「PUBNAVI」の利用は正式サービスが始まる2022年に先立つ2021年。それまで電子書籍の売上、印税管理は電子取次や電子書店からの売上報告をExcelに転記するなど手作業で行っていたため、「何か良いシステムがないか探していたところ、リリースか何かで目にして問い合わせました」と横井氏自らアプローチ。リリース前のテスト導入に参加した。
「電子書籍は契約がない限り絶版はなく、品切れもないので増える一方です。しかも、実売印税方式なので延々と管理が続きます」と横井氏はその背景を説明する。
とはいえ、独自システムを開発するほどの規模にはなっておらず、担当する人員を増やすこともできずにいたのだ。
導入は、当時700タイトルほどだった商品リストの作成が多少手間だったのを除けばスムーズにできた。そして「作業時間が短縮でき、電子取次・電子書店ごとにデータフォーマットが違っても変換して取り込めます。そしてミスがほとんどなくなりました」(横井氏)と効果を発揮。1週間ほどかかっていた作業が1~ 2日ででたケースもあり、点数、売上が増えても担当者は導入前と同じ2人で対応できている。
その後の運用も特に大きなトラブルはないといい、横井氏は特に問題を感じていないが、「売上の速報値など情報分析がもう少し簡単にできるようになれば」とさらなる発展に期待を示す。
一方、電子書籍の今後については「電子コミックのアプリを利用する人は、すでに電子書籍を読んでいるという感覚ではなく当たり前のことになっていると思います。雑誌やムック、書籍はまだそこまですそ野が広がっていないので、コミックアプリなども参考にして、業界として利用者が意識せずに使えるようハードルを下げる必要があるのではないでしょうか」との思いを持っている。