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事例紹介

Case

出版システム専門書出版

産業図書株式会社
変化に対応して3世代目のシステム
オンデマンドサービスにも期待

新聞記事の内容《PDF》 A4資料《PDF》

出版ERPシステム
(販売管理・オンデマンド出版)
産業図書様(文化通信bBB 2015/10/26 掲載)

産業図書株式会社

代表者 飯塚尚彦
所在地 〒102-0072 東京都千代田区飯田橋二丁目11番3号
電 話 03-3261-7821

 産業図書が利用している光和コンピューターの基幹システムは、導入を始めてから3世代目になる。その間に本社ビルの建設、物流業務の外部委託など大きな変化にも対応してきた。また、近年は光和コンピューター」が提案を開始したデジタル・オンデマンド出版センター(DOD出版センター)によるオンデマンド出版を活用している。

理工学書と人文・社会科学書を発行

 産業図書は1924年に工政会出版部として創業以来、理工学書を中心に出版を手がけてきたが、コンピューター関連書を刊行するようになり、人工知能などの分野を扱うなかで、現在は哲学など一人文・社会科学を含めた幅広い学術書の出版活動を展開している。

 売り上げに占める割合は、大学教科書の採用が多い理工学書が6割、残り4割を入文・社会科学書が占める。新刊は月に1点のペースで刊行しているが、稼働点数は約500点。刊行から40年、50年というロングテール書籍が経営の柱になっている。販路は採用品が3割程度で、取次・書店ルートが多い。

新規性と自在性を評価

 同社が光和コンピューターのシステムを導入したのは25年ほど前になる。当時、まだ光和コンピューターの創業前で、柴崎和博社長は東京堂書店が日本オリベッティなどの出資で設立したシズテム会社オクトに在籍していた。

 産業図書・飯塚尚彦社長は「いくつかのシステム会社にあたって、最後にオクトの話しを聞いたのですが、公衆回線を使って遠隔地の支店間で情報を共有できるという提案は新鮮でした。それに、こちらの要求に応えてくれるという自在性も他にない特徴でした」と振り返る。

人間がコンピューターから解放された

 当時は、現社屋の場所に編集部と倉庫、駐車場があった。そのため社内で出庫、返品業務を行っていた。光和コンピューターになってから導入した第2世代のシステムは、納品伝票作成のための入力作業を無くすことが一つのテーマになった。

 それまでは納品や返品の伝票を作成するため、オペレーターを置いてテンキーで数学を入力していたが、ハンディターミナルを倉庫と販売部門に導入し、ISBNコード(OCRBフォント)を読み取るようにした。

 「これで入力ミスがなくなり、いちいちオペレーターのところに数字を持っていく必要もなくなりました。はじめて人間がコンピューターから開放されたのです」と飯塚社長。

 また、このとき導入したシステムはパソコンになり、バードウエアへの依存からも脱却した。「一番手に入りやすいハードでよいと言われ、コンピューターの世界が縦割りではなくなったことを実感しました」と飯塚社長は述べる。

物流業務を外部委託

 そして7年前に導入した第3世代のシステムは、在庫管理の外部委託に合わせたものだった。

 現社屋は11階建てで、同社が利用しているのは2階の1フロア。上階はマンションになっている。「専門書はすぐに売れる商品ではないので、資金繰りのために資産運用をしっかり考えなければなりません」という飯塚社長の判断で建設した。

 「いままでで一番シンプルなシステムになりました。在庫管理は倉庫にイニシアティブを渡して、結果だけもらえればよいという形にしました。ワタナベ流通は刷数ごとの在庫も把握していて、理論在庫と実在庫のマッチングの精度も高い」(飯塚社長)という。

移転で隠れた在庫を発見

 また、物流委託にはもう一つ意外な効果があったと飯塚社長。「出荷しながら1カ月間で在庫を移動したので私自身、休みなしで大変でしたが、なんでこんなにあるのかというぐらい意識していなかった在庫がありました。外部委託することではじめて保管コストを意識するようになったのです」。自社倉庫だったため、とりあえず置いてある在庫が大量に眠っていた。これらを可視化して整理する機会にもなった。

オンデマンドで供給続ける

 DOD出版センターは、光和コンピューターが欧文印刷、京葉流通倉庫、研文社、SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズ(SCREEN GP)、メディアテクノロジージャパンなどと協業してスタートしたプリント・オンデマンド(POD)サービス。JOBギヤンギングによって高品質で低コストな少部数制作を実現している。

 産業図書は『工学/技術者の倫理』(島本進)のPOD版を同センターで作成した。同書は2006年に刊行した書籍で、既に在庫が切れていたが、採用があったことから小ロットで作成した。

 「理工学の専門書は古くなっても、論文の引用元にあたるためなどオリジナルへの需要はあります。出版社にはそれを供給し続ける義務があると考えています。DOD出版センターは早ければ中5日で制作できるので、採用品の注文がギリギリになっても在庫を持たずに対応できます。出版社が必要としているものをトピックス的に紹介してもらえるのも光和コンピューターのユニークなところ」と飯塚社長は評価している。

 飯塚社長は自身が幹事長を務める工学書協会でも見学会を企画するなど、専門書出版社が共同してこの仕組みを使う可能性を研究している。