1. HOME
  2. 事例紹介
  3. システム内容別
  4. 出版システム
  5. 有限会社佐藤漫画製作所「PUBNAVI」導入 販売・ロイヤリティ管理の負担が軽減

事例紹介

Case

出版システム

有限会社佐藤漫画製作所
「PUBNAVI」導入 販売・ロイヤリティ管理の負担が軽減

記事の内容《PDF》 A4資料《PDF》

出版システム
有限会社佐藤漫画製作所
(文化通信 2023/11/28 掲載)

有限会社佐藤漫画製作所

代表者 佐藤秀峰
所在地 〒180-0006 東京都武蔵野市中町2-2-2ジュネス武蔵野6F
Webサイト https://densho810.com/

電子書籍配信事業「電書バト」を運営する有限会社佐藤漫画製作所は、このほど株式会社光和コンピューターと株式会社メディアドゥが開発した電子書籍の販売・印税管理サービス「PUBNAVI」を導入し、管理作業の負担が大幅に軽減されたという。

マンガ家個人と取引する電子取次

「電書バト」は、マンガ家個人から預かった作品を複数の電子書籍ストアに取り次ぎ、ストアごとの販売レポートにもとづいたロイヤリティを支払うサービス。『海猿』や『ブラックジャックによろしく』などの作品で知られるマンガ家の佐藤秀峰氏が2013年にサービスを開始した。
紙出版物の市場縮小が続くことに危機感を持っていた佐藤氏は、2010年頃に電子書籍時代の到来を予感し、自らの作品をホームページで無料公開するなどの試みを開始。各電子書籍ストアや電子取次と契約して作品の販売にも取り組むなかで、「出版社を通して配信すると作者の利益が少ない。この枠組みを広げていけば、手数料を低く抑えて他の作家の作品をストアに取り次げるのではないか」(佐藤氏)と考えて「電書バト」を立ち上げた。
そのため、「電書バト」の手数料率を20%に抑えてロイヤリティ料率は80%と高率だ。個人の作家が利用しやすいようにJPEGやPDFデータのEPUB化も、ロイヤリティ率65%で行う。
さらに紙の単行本や雑誌からのデータ化についても相談でき、弁護士事務所と提携し契約に関することや、出版社とのトラブルなどの相談にも対応する。
配信できるストアとアプリは70件ほど。国内サービスはほぼ網羅するうえに、海外電子書籍ストア11店にも取次が可能だ。利用者は当初、知人の作家が中心だったが、いまは400人ほどに拡大。取り扱い作品は3500冊にのぼる。この結果、佐藤氏の作品による電子書籍ロイヤリティと「電書バト」の手数料を合わせて月数千万円の売り上げをあげ、社員6人、外部スタッフ3人の体制で事業を続けている。

「PUBNAVI」導入は即決

「PUBNAVI」の導入は2022年11月。最初はWebスタッフの松本涼氏がプレスリリースを見て説明会動画を視聴し、「できたら使ってみたい」と思ったのが出会いだった。サービス開始のリリースに合わせて連絡してすぐに契約した。
それまで同社ではExcelで作ったシステムでストアからの販売レポート管理やロイヤリティ計算などを行っていたが、「手作業が多くあまり使い勝手が良くありませんでした」と松本氏。ストアからの販売レポートはフォーマットが16~17パターンもあるため、取り扱う作家と作品が増えるに従って、明細を整えるなどの手作業が大きな負担になっていた。
「PUBNAVI」の使用感は、「ブラウザーで利用できるのでWindowsでもMacでも使えますし、それまで30分待ちだった計算があっという間に済みます。インターフェイスも見やすく、当たり前のことですが、スムーズに動きます」と評価する。
佐藤氏は「電書バト」の今後について「このサービスは作家が主役で我々はあくまでもサポート役です。事業を大きくするという考え方もありますが、インフラとして継続していくことが大事です」と話す。
そして「作家への還元が大きいため他社のように営業に力を入れられていないかもしれませんが、利用者アンケートでは『満足』『非常に満足』という声を多くいただいています。自分たちで続けられる範囲で頑張っていきたいと考えています」と述べる。システムの進化が、こうした佐藤氏の思いを支えていくのかもしれない。