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事例紹介

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出版システム

株式会社診断と治療社
出版ERPに続き「PUBNAVI」導入で半日仕事を30分以内で処理

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出版システム
株式会社診断と治療社
(文化通信 2024/10/29 掲載)

 

鳥羽隼弥部長

左から『診断と治療』『産科と婦人科』『小児科診療』『チャイルドヘルス』

株式会社診断と治療社

創 立 1914年(大正3年)
代表者 藤実正太
所在地 〒100-0014東京都千代田区永田町2-14-2 山王グランドビル4階
電 話 03-3580-2770(総務・営業部)
電 話 03-3816-5897(総務・営業部)/03-3580-2750(編集部)

医学分野の専門雑誌と書籍を刊行する診断と治療社は、電子書籍の販売を本格化させたのに伴い、今年5月に電子書籍の売上管理に光和コンピューターの「PUBNAVI」を導入した。手作業で時間をかけていた集計の負担が大幅に軽減されたという。

同社は1914年に藤實人華が総合臨床医学雑誌『近世医学』(現在の『診断と治療』)を創刊して創業。その後、昭和初期に産科、小児科分野でもいち早く雑誌を創刊。戦後は書籍の刊行も本格化させ、近年は電子書籍の販売も強化している。昨年、4代目社長に就任した藤実正太氏は弁護士活動を経て出版社の経営に携わるという異色の経歴を持つ。
現在、発行する雑誌は社名誌の『診断と治療』のほか、『産科と婦人科』(1933年創刊)、『小児科診療』(1935年創刊)、『チャイルドヘルス』(1998年創刊)の4誌と、日本小児神経学会の機関誌『脳と発達』などの制作発行を受託している。
書籍の刊行は小児科、産婦人科、内科の分野を中心に年間60点ほどの新刊を刊行。リハビリテーションや保育士向けの学校教科書も発行しており、稼働点数は約700点になる。
販路としては医書専門書店と医書を扱うナショナルチェーンの大型店、Amazonをはじめとしたネット通販、一般書店からの客注、そして少量だが自社Web経由の直接販売がある。
通常の書店には総合取次経由で送るが、医書専門書店には医書出版社と専門書店で設立した株式会社日本医書配送センターが送品。同社は在庫の保管や返品の改装なども同センターに委託しているため、同センターが総合取次にも搬入し、直販の出荷も担っている。

電子書籍200点超える

電子書籍については、近年本格的に販売を開始。それ以降、新刊と雑誌は原則として電子化している。3年ほどで累計刊行点数は書籍と雑誌を合わせて200点を超える。
医療関係者向けには医書出版社が共同で立ち上げた「医書.JP」、エムスリーが運営する医療情報プラットフォーム「m3.com」、メテオが運営する医療文献サービス「メディカルオンライン」を通して販売。こうした販路で販売する専門的な医学書は図版や画像が多いため、基本的にPDFで電子書籍化している。
このほか、図書館向けに紀伊國屋書店の学術和書電子図書館サービス「KinoDen(キノデン)」や丸善雄松堂の機関向け電子書籍提供サービス「Maruzen eBook Library」を通して販売。一般向けでもニーズがある電子書籍は電子取次メディアドゥを通して通常の電子書店経由でも提供している。

電子の売上拡大で作業煩雑に

基幹システムはかつてオフコンを利用していたが、PCサーバーに移行するため2010年に光和コンピューターの販売管理、定期購読管理、広告管理、印税原稿料支払管理、原価管理のシステムを稼働。それ以来、版権使用管理やインボイス対応など機能追加しながら利用を続けてきた。
在庫管理や出荷など物流を委託している医書配送センターにも端末を置き、書店からの注文や、Webからの直接注文を基幹システムに入力することで、同センターで注文書を出力して出荷する体制をとる。
電子書籍は点数の増加に伴い年々売上も拡大しているが、「各電子書店や電子取次からの売上報告フォーマットがバラバラで、以前はExcelに入力して整形していましたが、量が増えて半日仕事になったうえにミスも発生することが課題になっていました」と営業部・鳥羽隼弥部長は述べる。
これを解消するために光和コンピューターの勧めで「PUBNAVI」を導入。売上報告をそのまま取り込み、CSV形式で基幹システムにアップロードできるようカスタマイズもした。この結果、半日仕事が30分もかからずに処理できるようになったという。
ただ、同社は紙版と電子版の印税を合わせて支払っているため、まだ印税管理には「PUBNAVI」を利用していない。今後、紙版にも対応するようになったら「PUBNAVI」を活用したいと鳥羽部長は期待を示す。