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事例紹介

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出版システム専門書出版

晶文社
倉庫とのオンライン化と情報の共有化
返品入力の時間を大幅に短縮
晶文社

新聞記事の内容《PDF》 A4資料《PDF》

「出版ERP」システム  「Publishing ERP」
株式会社 晶文社 様 (文化通信bBB 2007/11/26掲載)

現システムについて「コストパフォーマンスは相当向上した」と話す内山良彦取締役

株式会社 晶文社

所在地 東京都千代田区外神田2-1-12
代表者 中村 哲司
創 立 1960年2月
資本金 1000万円
社員数 23人

30年前にコンピュータを導入

 同社がコンピュータを利用し始めたのは1976年と意外に古い。創業者で一昨年に他界した中村勝哉社長の決断で富士通のオフコンを導入。現在、営業部長兼総務部長を務める内山良彦取締役が富士通の販売会社のSEと、当時の筑摩書房を手本に手作りでソフトを組んだという。

 その内山取締役が昨年9月から取り組んだのが、パソコンのクライアントサーバーシステムへの移行だった。「ネットワークもなく、オフコンのシステムは硬直した使い方しか出来なかった。倉庫とのオンラインとセクション間の情報の共有化をしたかった」(内山取締役)ためだ。

 いくつかのシステム会社から見積もりをとったが、以前から知っていた光和コンピューターに決めたのは「当社の規模でもきめ細かく対応してくれる。また、出版システムに特化しているので事例を多く蓄積している」(同)という判断からだ。

 しかし、出版システムのフルパッケージをいきなり導入したわけではない。まず、自社に必要だと思われる販売管理と印税管理のパッケージをカスタマイズして作り上げた。

端末10台とサーバーで構成

 新システムの本稼動は決算を終えた2007年2月。自社にサーバーを置いて、端末は販売部、経理総務部、編集部と、物流業務を委託している㈱出版産業の1台を含めて合計10台を導入。ネットワークで結んだ。

 内山取締役はその効果として「倉庫とのオンライン化によって、まず返品の入力が早くなった」ことをあげる。

 それまで倉庫とのやり取りは、電話、FAX、そしてトラックの定期便だったため、取次ぎから倉庫会社に返品が着荷してから伝票を定期便で受け取り、経理業務部がオフコンで入力していた。このため、納品については1~2日で締め処理が出来ても、返品は入力に1週間ほどかかっていた。現在は返品は倉庫への着荷時点で倉庫業者が入力するため、大幅に時間が短縮され機会損失がなくなった。

美本在庫もリアルタイムで把握

 また、同様に返品の改装についても倉庫でそのつどステイタスを変更しているため、ほぼリアルタイムに美本の在庫を把握できるようになった。

 社内もネットワーク化の効果は大きい。これまでは在庫を確認することにも営業部に1台だけだった端末で見るしかなかったが、各部署のパソコンで共有できるようになった。

売上印税を自動計算

 印税管理もシステム化が必要な業務だった。同社は新刊については発行印税、2刷以降は年1回の売上印税という方式を採っており、年間に支払が発生する著作者は500人に達成する。売上印税を自動計算してレポート、振り込み調書を作成するまでの一連の流れをシステム化する必要があった。

 販売システム用の商品マスタ、そして印税システムで使う著者マスタのメンテナンスも、刊行1ヶ月前には登録するルールを決め、配本前に一元管理する体制を整えつつある。

エージェントのレポート統一を

 ただ、システムの問題ではないが、内山取締役は海外の著者に対する印税管理には頭を悩ませているという。国内エージェントに提出するセールスレポートの様式がバラバラで、システム化できないからだ。このフォーマットが統一されれば、印税管理は全て機械化できる。

 こうして、新システムに移行した結果、「月々の負担は今までよりも低くなっており、オフコンからパソコンに切り替えたメリットは十分に感じている」と内山取締役は述べる。オフコン時代に2000年問題で苦労したことなどと比べると、コストパフォーマンスが相当向上したと感じているという。