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「出版社・書店のシステム導入事例集 加速する出版流通システム Vol.9」発行にあたって

はじめに

本小冊子には、 文化通信社が発行する 『B.B.B.』 に 2020年9月以降に掲載した光和コンピューターの出版社システムと書店システムなどの導入事例を掲載しています。この連載が始まったのは2003年、以来、約19年にわたって出版社、書店のシステム利用について掲載してきたことになります。
連載を開始した時期と今日を比べてみると、出版業界の状況は大きく変化しました。まず何よりも、出版産業の根幹を支えてきた取次システムが転換するという、大きな節目を迎えています。産業規模の縮小は、出版科学研究所の調査によれば、書籍・雑誌の販売金額は当時の2兆2278万円から1兆6742億円と縮小し、中でも、多くの出版社、取次、書店が経営の柱としてきた雑誌は、1兆3222億円から5276億円と3分の1程度の市場規模に縮小しました。
そして、電子出版市場は4662億円に拡大し、特に電子コミックは4114億円と出版販売額の25%ほどになっています。コミックを発行する大手総合出版社では、紙の書籍・雑誌が減少しても増収・増益を計上するなど、出版社の収益構造も変わってきており、今後 、この変化がさらに進んでいくことは間違いありません。
「電子書籍元年」と呼ばれた2010年から12年が経過し、出版物を電子化する流れは、全世界で進行しています。なかでもアメリカやドイツにおける書籍の世界では、プリント・オンデマンド(POD)の存在感が高まっているようです。両国の最大手取次はそれぞれPODでは国内トップシェアをもち、取引書店へのPOD版の迅速配送や、海外への提供など拡大しています。
日本においても、電子出版やPODなどデジタル技術の活用は出版社にとって無視できない領域になっています。本書で取り上げている出版社の基幹システムでも、電子書籍販売管理に対応するなど、こうした流れを反映しています。
ここ25年にわたる出版市場の縮小も、大きな視点で捉えれば、デジタル化の流れが影響しています。このような環境の変化は、「グーテンベルク以来の革命」と表される通り、文字メディアにとって、根本的なものであり、後戻りできない流れです。
出版産業、そして個々の出版社や取次、書店などの企業も、この環境変化のただ中にいます。人間は自ら環境を変えることはできません。これまでの長い人類の歴史は、環境の変化に対応し、たえず自己を変革してきた歴史だということもできます。そして、出版システムとは、まさに出版産業の各企業が、環境変化に対応して自己変革を行うためのツールなのです。
本冊子をそうした取り組みの一助としてご活用頂きたいと思います。

文化通信社 星野 渉

 


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ソリューション営業部 (担当:石橋、小堀)
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あとがき

2022 年、コロナ・パンデミックの一定程度の終息過程で回復傾向にあった世界経済は、1月以降のオミクロン株に依る感染拡大、そして 2月ロシアのウクライナ侵攻で先の見えない複雑な様相を呈しています。「国際秩序の不安定化」・「経済安全保障の再構築」・「脱炭素の推進」等の潮流変化が加速化する中で、コロナ危機とウクライナ危機を経て世界は転換点を迎えている様に思います。
日本経済もまた、こうした変動と無縁ではありません。DX・GX 進展に対応した産業構造、事業モデル、人々の生活様式の変革が一層問われていくことになるでしょう。年換算 GDP 規模はコロナ禍前の 2019 年 10 月~ 12 月の水準にようやく戻りつつあるといわれていますが、第 7波感染拡大、ウクライナ危機の長期化、世界的景気懸念と一層の円安、生活物価の上昇等により当面の先行き不透明感は続きます。
出版業界の状況も厳しさを増しながら様変わりしつつあります。
紙と電子の合算推定販売額は、2021 年は 1兆 6742億円(対前年比+3.6%)と 3年連続でプラスになったものの、2022 年の上期(1月~6月)においては 8334億円(対前年比-3.5%)となりました。内訳を見ると紙出版物の推定販売額は前年比-7.5%(書籍:前年比-4.3%・雑誌:前年比-11.8%)と大きく下落し、電子の前年比+8.5%と明暗を分けています。また、オーディオブックや縦スクロールコミックの伸びと併せて、電子図書館サービス導入や採用教科書の電子化が進む中で、文字ものの電子化は成長を続けています。
私共はビジネス転換に挑む版元から学び、新たなソリューション構築を通して貢献していきます。
また、独立系や地域書店の個性を発揮した店作り。ナショナルチェーン店の商材拡大、コワーキングスペースの併設、メタバースやネット環境を駆使した新たな読者サービスの展開。コスト削減を含めた経営努力を続けている全国の書店様にしっかりとコミットしたく思います。
出版業界全体のマーケット(お客様)に根を張ったビジネス展開を追求することで再成長しようとするご努力に、テクノロジーを駆使したシステム展開を持って寄与していく所存です。
キーワードを以下の文言に集約します。
〈Mission〉
わたしたちは IT を通じてお客様に新しい価値を提供し、お客様の成長を支え、文化の発展に貢献します。
〈Vision〉
出版業界で最も信頼される、IT プロフェショナル集団へ!

一層のご指導の程、宜しくお願い申し上げます。

(2022年9月12日記)
株式会社光和コンピューター
代表取締役 寺川 光男

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