2024年 年頭のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。
新年早々震度7の能登地震と航空機事故。穏やかな年明けは一転して、厳しいニュースに覆いつくされました。刻々と伝えられる被災状況に、固唾を飲んで見守る日々となりました。被災地の皆さんの御無事を祈ると共に1日も早い復旧を心より願っております。
「おめでとうございます」のご挨拶が憚れる思いの新年ですが、お陰様で、弊社の社員とご家族の大きな被害は報告されておりません。一方、お取引やお付き合いのある多くの書店様で営業が再開できない状況が続いています。弊社に出来る限りの復興のご支援を、積極的に進めさせて頂きたく考えております。
地震列島であるこの国ではいつどこで大きな地震があっても不思議でないという現実に改めて直面しました。
〈経済の状況〉
2024年の日本経済はポストコロナ禍に依る経済回復が穏やかに進む様です。「賃金と物価の好循環」を実現できるか否かが30年ぶりのデフレ経済脱却の鍵となりますし、格差の是正が急がれます。物価上昇を超える継続的な賃上げと、減税を含む財政出動を実施出来るか否かが問われていると思います。日銀による数年ぶりの金利復活が実施された場合、その度合いによっては低金利を前提として来た企業経営や不動産市場などへの影響も懸念されます。
米国経済は物価のリバウンドと金融引き締めの長期化がリスクとされています。物の価格上昇は鈍化しましたが、賃金上昇を背景としたサービス価格の高止まりは続いています。人手不足と原油や資源価格の高騰で物価高が再来すると金融の引締めが景気の悪化を招く恐れもあります。インフレ終息のタイミングと雇用市場の鎮静化が鍵を握るとされています。
また、大統領選の結果によっては、国際政治へのコミットの在り方が大きく変わると予想され、米国経済にも大きな影響を及ぼすと見られます。
中国経済は「不動産不況の深刻化」による官民両方での不良債権の急拡大が懸念されています。若者の失業率の急上昇、消費不振、需要不足による物価低迷が続いています。西側諸国との軋轢も相まって中国経済はデフレ経済への転換点に差し掛かっているとの指摘もあります。
<この厳しい時代に>
「出口の見えないウクライナ情勢」、「イスラエルのパレスチナ侵攻により不安定化が続く中東情勢」「極東有事の現実化」等、不穏な国際情勢が連日報じられています。また昨年世界中を席捲した熱波による森林火災や巨大ハリケーンと大洪水。「気象変動」から「気象危機」と言われ始めた現状を国連のグレーテス事務総長は「地球沸騰化の時代が到来した」と指摘しています。
「紛争の深化拡大」も「地球沸騰化」も産業革命以降、人類自らが選び取ってきた“政治経済と文化”の結果です。人類は今一度立ち止まり、成長や進歩・格差や分断を振返り、未来をしっかりと見つめ直す時にあります。
その為にこそジャーナリズムや出版コンテンツの価値が大いに見直されるべき時だと考えています。人類の英知を体系化し言語化する出版業界の役割は益々その重要性を増しています。
弊社はITを通じて出版業界に価値を提供し、文化の発展に貢献したく思います。
<2025年の35周年へ向けて>
第33期の決算(2023年8月)はお陰様で3期連続の増収増益(経常利益ベース)の決算で締める事が出来ました。ひとえにユーザー様のお力添えの賜物です。一同心から感謝しております。ありがとうございました。
また、昨年(2023年4月)には7名の新卒者が入社致しました。通年ですと開発技術者の採用が基本でしたが、優秀な方々にご応募頂き、管理部門と営業部門で新卒採用をさせて頂きました。また、2024年採用では新卒の方々5名に入社頂く予定でおります。お陰様で社員数は110名を超え、20代30代の社員が42%を超える若い力に支えられた会社となります。こうした若い世代が更に生き生きと活躍出来る会社への飛躍が問われていると考えております。
現在、第34期のただ中にあります。今期の合言葉は「人と組織の活性化により、成長の第二ステージに果敢に進もう」です。これは、個人個人の意欲と自発的な行動に基づく目標の結集を会社の成長につなげて行きたいとの思いをスローガンとしたものです。
モチベーションやワクワク感に支えられた組織の開発を通して、ユーザー様の満足度向上や市場からの期待に応えられる会社を再構築していきたいと思っております。「組織はいつも工事中」と言います。時間が掛かる事も覚悟しておりますが、組織つくりの改変を伴う本質的な成長に向けて着実に歩を進める覚悟でおります。
本年も変わらぬご指導の程をなにとぞ宜しくお願い申し上げます。
2024年1月
株式会社 光和コンピューター
代表取締役 寺川光男