書店在庫の横断検索システムを一般公開
~図書館やwebとの連携も視野に、実証実験スタート~
2024年6月21日
書店在庫情報プロジェクト発起人
一般財団法人出版文化産業振興財団
株式会社カーリル
一般社団法人版元ドットコム
一般財団法人 出版文化産業振興財団(JPIC)と株式会社カーリル及び一般社団法人版元ドットコムは、開発中の「書店在庫情報」システムを一般公開し、実証実験をスタートさせました。
この実証実験は上記三社を中心に準備が進められ、協力会社として株式会社光和コンピューター、株式会社トーハン、日本出版販売株式会社が連携しています。まずは第一フェーズとして一部の書店から先行して在庫検索を開始し、実証実験の進展を見据え、協力会社及び参画書店の拡充も視野に入れて参ります。
これまで一般読者にとっては、欲しい本があっても近隣の書店在庫が分からないことが多く、購入のハードルとなっていたことは否めません。
もしも街の書店の在庫情報がオープン化され、スマートフォンを使って現在地周辺の書店在庫を横断的に検索できるようになれば、すぐに読みたい読者にとっては便利であり、書店にとっても新たな顧客を招くきっかけになるのではないか……そうした着想から、このプロジェクトはスタートしました。
当プロジェクトの「書店在庫情報」システムの理念は、データ開示に同意した書店の在庫情報を、インターネット上のあらゆる書籍情報サイトや出版社サイトに、オープンソースとして実装できるようにするものです。
また、図書館OPAC(検索システム)と連携できれば、借りたい本に多くの待機者がいる場合など、OPACの画面からこのシステムにアクセスすることで近隣書店で購入できることを読者に伝えられます。本と読者との接点を最大化していくために、図書館と地域書店が連携する一つの具体策として、実証実験の中で実現可能性を検証していきます。
開発にあたり、書店が在庫を登録する方法もいくつか準備しています。現在すでに在庫をWeb上で公開している書店からは、システム的に自動取得することで、書店側の新たな開発や手間を省きます。一方、書店の方針次第でAPI連携が望ましい場合は個別に対応いたします。さらに、今後より多くの書店にご参加頂けるよう、単品在庫管理をしていない書店であっても任意の在庫を選んで登録できる手段も用意し、実証実験の中で検証していきます。
●ご留意頂きたい事項
書店在庫情報プロジェクトは、読者に対し近隣の書店で購入可能であることを提示するサービスです。
公開する在庫データは、随時更新されるものから、一日一回更新など提供頂く書店により更新タイミングもさまざまです。また、店頭在庫は常に販売などにより変化していますので、利用者のみなさんが店頭にいかれたときに在庫がない場合も発生します。
その点はサイト上にも明記し、利用者の理解を得るようにします。
また、第一フェーズではまだ一部の書店の在庫しか見られませんが、近隣に書店があることを利用者に知らせ、来店を促すため業界共通の書店マスタデータを参考に出来る限り多くの書店名と地図を掲載しています。
●スタート時の在庫情報提供書店と在庫横断検索可能な連携サイト
【在庫情報提供書店】
基本方針として、書籍の新刊販売をおこなっているすべての書店を在庫検索対象としていきたい考えですが、2024年6月21日(金)の実証実験サイト公開日に横断検索できる書店は、ブックファースト・大垣書店・くまざわ書店・今井書店のグループと一部の地域書店です。
この他の書店チェーンとも在庫情報利用に向けた協議を進めており、在庫開示書店は随時増加の予定です。
また、在庫データを持たない書店も、在庫情報の登録手段を準備しており、随時参加を募っていきます。
【在庫横断検索可能な連携サイト】
2024年6月21日(金)の実証実験サイト公開日に、横断検索結果へとリンクしているサイトは、カーリル、版元ドットコムと、青弓社・スタイルノート・ポット出版の出版社サイトです。
これらのサイトの書誌カタログを開くと読者の検索する位置から近い順に書店在庫が見られるよう準備しております。
今後、拡大をめざして各種サイトと協議を進めてまいります。
実証実験URL:
・カーリル https://calil.jp/
・版元ドットコム https://www.hanmoto.com/
・ポット出版 https://www.pot.co.jp/
・青弓社 https://www.seikyusha.co.jp/
・スタイルノート https://www.stylenote.co.jp/
なお、実証実験や本稼働に向けて参加書店や掲載サイトを募集しています。
また、自社で在庫情報をエントリー出来る書店にはマニュアルもご提供します。
ふるってご参加下さい。
お問い合わせ先
info@openbs.jp