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事例紹介

Case

出版システム

株式会社幻冬舎コミックス
基幹システムに電子書籍販売・印税管理組み込む
コロナ禍の販売増加に対応

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出版システム
株式会社幻冬舎コミックス
(文化通信 2024/3/26 掲載)

 

笹木本部長

(左)15巻電子・紙累計で350万部に達し、来年アニメの第2シーズン放映も決まっている『転生したら剣でした』
(右)昨年4月に刊行が始まり12月に2巻が刊行された売れ行き好調の『ただの飯フレです』

株式会社幻冬舎コミックス

設 立 2001年10月22日
所在地 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ケ谷4丁目9番7号
代表者 石原正康
資本金 3000万円
従業員 50名

BLなどのコミックや小説を刊行する幻冬舎コミックスは、コロナ禍で電子版の需要が増えたが、従来利用してきた基幹システムに電子書籍の売上管理、印税管理システムを組み込むことで対応している。

コミックやノベルズを中心に刊行

同社は文芸出版社の幻冬舎が2001年に設立し、その後、資本は独立したが、物流や発売元は引き続き幻冬舎に委託するグループ会社として、コミックやノベルズを中心に刊行している。
刊行物は雑誌で『ルチル』と『リンクス』の紙版2誌と電子雑誌5誌、コミックス・ノベルズで「バーズコミックスシリーズ」「ルチルコレクション」「リンクスコレクション」「ラブキスボーイズコレクション」「ルチル文庫」「リンクスロマンス」といったレーベルで青年マンガ、BL・TLなどの作品を中心に発行している。
新刊刊行点数は月10~ 20点。このうちコミックスが6割程度を占める。電子書籍はケータイコミックの時代だった2007年から始めており、5~6年前に過去作品の電子化が完了したことで作品数は2000タイトルを超えている。いまは著者の意向で紙版を先行させるといった事情がない限りは紙版と同時のサイマル刊行を行っている。
もともとコミックスは電子書籍の売れ行きが良く、紙と電子を合わせた4割程度を占めるようになっていたが、コロナ禍で電子版の比率が6割、多い作品では7割を占めるまでに増加。コロナ後に巣籠の特需は落ち着いたが成長は続いている。

電子の売上件数 月2000件に増加

基幹システムは創業当初から光和コンピューターの販売管理、原価管理、印税管理を利用してきた。電子書籍の販売増加に伴って作業が煩雑になったことから、2017年に既存システムへの追加を要請した。
「電子書店からの売上データをE x c e l やAccessで管理していましたが、売上件数が毎月1000~ 2000件も発生するようになり、手作業では扱いきれなくなりました」と取締役経営管理本部長・笹木一秀氏は理由を説明する。
電子書籍は「在庫」の必要がなく、発売すればいつまでも販売することになるため、同社の場合は電子化した既刊2000タイトルがいつでも購入できる状態にある。月に1冊でも売れれば売上が計上されるため、紙版に比べて処理量が膨大になるのだ。
既存のシステムに組み込んだことで、紙と電子の販売、印税計算、印税支払いなどを一括で管理できるようになり、「以前に比べて作業はだいぶ楽になりました」(笹木本部長)という。
ただ、計算が自動化できたとはいえ、毎月多くの支払いが発生することには変わりなく、印税率の変更や、著者が死去した場合の著作権継承先、支払先の個人から法人への変更など、日々発生する更新情報を管理しなければならず、紙版にはない苦労も多いという。
今後、システム面で期待するのは、クラウド対応など新システムへの移行だ。「長年使っているシステムなので、社内のサーバー、クライアントで利用しており、テレワークなど今の勤務形態に合わせていきたいと考えています」と笹木本部長は述べている。