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事例紹介

Case

出版システム総合出版

幻冬舎ルネッサンス
書店に流通するハイクオリティーな自費出版
光和コンピューターの販売管理システムを導入

新聞記事の内容《PDF》 A4資料《PDF》

出版ERPシステム
(販売管理システム)
幻冬舎ルネッサンス 様(文化通信bBB 2014/1/27 掲載)

株式会社 幻冬舎ルネッサンス

設 立 2004年9月1日
資本金 4000万円
事 業 個人出版物の製作・流通販売業務
代表者 新実 修
所在地 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-9-7
電 話 03-5411-6710

 幻冬舎ルネッサンスは2013年7月、光和コンピューターの販売管理システムを稼働させた。自費出版を書店に流通させるビジネスを展開する同社だが、2009年には新書を創刊、2011年には企画出版もスタートするなど、刊行点数は1000点近くにまでに拡大。少部数ならではのきめ細かい配本を行い、売上率も通常の書籍と遜色なく、取次や書店の評価も高くなっているという。

幻冬舎のクオリティーで自費出版制作

 同社は幻冬舎の子会社として、2004年から個人の自費出版を手がけてきた。2012年度の刊行点数は158点、このうち隔月で刊行する新書が14点。ほとんどが自費出版だが、年間10点ほどの企画出版も刊行する。

 従業員は13人、そのうち2人は営業を担当する。自費出版を取次、書店ルートで、一般の企画出版と同じように流通させるのが、同社のビジネスモデルだからだ。

 「幻冬舎の名前で書店においていただく以上、売れなければいけないと思います。当社は売れる本を作る力が備わっていますから、幻冬舎のクオリティーで自費出版も作っています」と田村尚弘営業局長は話す。

 そのため、著者が望まないものや、社史などごく一部を除いて、刊行した書籍は書店に流通させている。

“短期間“”安さ”だけを追求しない

 自費出版の著者は、執筆を職業にしてはいなくても、書きたいという強い意欲を持った書き手が多い。特に大学の教職員や医師などの専門家などは、本としてのクオリティーが一定水準に達していれば、商業出版物に劣らないという。

 同社の自費出版は、短期間で安く出すことを追求するのではなく、編集者がしっかりと編集し、企画出版で依頼しているデザイナー、ライター、校正、印刷、製本を使って、一定のクオリティーにしている。そうすれば「自費出版だから売れないということはありません」と田村局長。

 通常、自費出版は著者から得る製作費で採算に載せるが、同社の場合は編集・制作にある程度の費用と時間をかけているため、販売収入が利益を大きく押し上げているという。

1点ずつ細かく配本

 著者に提示する基準の制作部数は、単行本の場合は1150部。途中半端な数字にみえるが、このうち1000部が流通用、100部が著者用、そして50部が配本などのその他という内訳だ。これが新書だと基準部数が2150部になり、このうち流通用が2000部となる。もちろん、作品の質や著者の希望によって、1点ごとに部数は変動する。

 書店への配本は、パターンをそのまま使わずに1点ずつ変えている。写真集であれば写真集が強い店、ビジネス書であれば都心部を中心に、などである。

 流通用が単行本で1000部しかないため、細かく配本する必要があるのだ。その結果、売上率は通常の書籍と遜色なく、「取次の反応も当初とは違ってきましたし、大手書店のご担当の中にも、当社の本は売れると期待していただく方が増えています」と田村局長は手応えを話す。

 無名の書き手では売れにくい小説についても、2006年に刊行した『氷の華』(天野節子著)が、内容が評価されて幻冬舎から単行本で刊行、全国ネットのテレビ局の開局記念ドラマの原作に採用され、いまも幻冬舎文庫の定番として売れ続けているといった例が、いくつもある。

新書、企画出版もスタート

 自費出版で新書という器を用意したのは、「実体験を書く著者が多く、編集者から『新書向きの原稿が多い』と声が上がったから」(田村局長)。

 創刊までに、新書向きの作品を集めるなど1年の準備期間をとり、2009年8月に4点で創刊。創刊第2回配本で刊行した『ゴルフの品格』(神田恵介)が3万部を超えるなど、ヒット作も出ている。

 さらに、2011年7月には東日本大震災の被害を受け、初の企画出版『原発はいらない』(小出裕章著)を刊行し、11万部に達している。販売収入が利益に貢献しているため、今後は計画が立ちやすい企画出版も増やして、自費出版との相乗効果を発揮させていく方針だという。

サーバー老朽化で新システム移行

 販売管理システムは、これまで大手システム会社のパッケージソフトを利用してきたが、サーバーが老朽化したことと、刊行点数が1000点近くに達してきたことで、処理速度が遅くなるなど問題があったため、新システムの導入に踏み切ったという。

 光和コンピューターのシステムにした理由は、親会社の幻冬舎でも同社システムを利用していたからで、2013年春に導入を決めて、7月末には稼働するというスピードで導入が完了した。

 また、旧システムはWindows7に対応していなかったため、新システムに移行したことで、今年4月でサポート期間が切れるWindowsXPの問題にも対応することができた。

 田村局長は新システムに移行したことについて、「光和コンピューターはフットワークが良く、少々遅い時間帯でも対応してもらえる。人のサポートは心強いです」と話す。

 昨年、幻冬舎でのアルバイトなどを経て同社営業部に入社した本橋怜子さんも、「もともと幻冬舎で使っていたシステムとほとんど変わらないので、スムーズに移行できました」と話している。