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事例紹介

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書店システム

株式会社煥乎堂
店頭と外商のシステム連携で在庫の精度向上

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書店システム
株式会社煥乎堂
(文化通信 2025/11/25 掲載)

前橋市中心部の本店

高崎市にある外商部の建物。群馬県教科書販売が隣接する

(左)蛭川本店長、(右)北爪課長

株式会社煥乎堂

代表者 小林卓郎
資本金 5000万円
従業員数 約100名
所在地 〒371-0023 群馬県前橋市本町1-2-13
電 話 027-235-8111

群馬県前橋市に本店を置く老舗書店の煥乎堂は、店舗での書籍・雑誌販売とともに学校を中心とした外商活動を手広く展開している。システムはかつて別だった店頭と外商を同じ光和コンピューター製のシステムにすることで、それぞれの仕入れと販売を連携して管理することにより在庫の精度向上などを実現した。

明治以来営業続ける老舗書店

同社は前橋市の中心に6階建て900坪の本店を構え、1~3階の約500坪が書店部門、4階が楽器売場、5階が音楽教室と「煥乎堂ホール」、6階に事務所と群馬県・官報サービスセンターがある。さらに本店のほかに音楽教室が12カ所、そして高崎市には外商部を置いている。
明治初めから高崎市で出版業を含めた商売をはじめていたと見られ、奥付に「煥乎堂」と入った1875年(明治8)刊の出版物が存在する。当時は出版事業のために東京・日本橋にも事務所を置いていたというが、明治10~20年頃に現本店の向かいの場所で書店を開業。1977年に駐車場などに利用していた現本店の場所に音楽教室とホール、楽器販売の音楽センターを開設。ここに書店も移し、1993年に今の店舗を建設した。
開業当初から教科書販売をはじめとした学校への納入業務が多く、そのために楽器や体操着なども扱うようになった。その後、昭和30~40年代の高度成長期に多くの家庭がピアノやオルガンを購入したり、音楽教育が盛んになったことで楽器ビジネスが拡大した。

小中高校納入 100校を超える外商部

外商部は教科書用の倉庫と隣接し、営業部隊6人と事務部隊4人の10人で構成する。
取引先は学校が中心で、小学校、中学校、高校(特別支援校含む)と、大学も教科書販売と図書館などへの納品を合わせて100校以上と取引がある。また、取引先の学校がある前橋市をメインに高崎市と伊勢崎市の一部エリアの一般企業への営業、さらに群馬県と前橋市の官公庁との取引もある。
ただ、配達業務については、コロナ禍によって美容室の待合室などで不特定多数の手に触れる雑誌などを置くことが難しくなり取引先が縮小。コロナ禍が明けてもすべてが戻ったわけではないという。
その一方で、教科書を納入している学校で、これまで学校が出版社から直接購入していた問題集などを販売する営業活動に注力。「学校に地元書店から購入することをおすすめしています。公立学校の先生は異動されるので、市内の学校なら当社のサービスが伝わって徐々に広がっています」と外商部の北爪孝明課長。
一般的に外商では取引先に値引きして納入することも多いが、同社では定価販売を基本にしている。ただ、官公庁への納品は入札になることが多く、課題だと考えている。「地元書店を守るために定価で購入していただくため、今後は国の書店支援などについても話して理解を求めていきたい」と北爪課長は考えている。

店頭と外商の在庫管理を一元化

店舗のPOSなどは、かつて取次会社のシステムを利用していたが、外商システムとは連携していなかったため、2007年に光和コンピューターの店舗システムを導入した際に、外商部も同社のシステムを導入した。これにより店売と外商で在庫管理などの連携が可能になった。
「以前は外商部が店頭から商品を抜いてもシステム的に把握できていませんでした。そのため仕入れと販売の帳尻が合わなくなることもあり、商品の移動を把握するため店舗と外商を同じ光和コンピューターのシステムにしました」と蛭川本店長は当時の経緯を説明する。以前よりは減ったというが、学校や図書館司書などが店舗で選書する書店ツアーなどへの対応も容易になった。
また、以前は外商部で書名を手入力していたため、店頭と外商で書誌データを共有できるようになったこともメリットだったという。
同社ではコロナ禍で縮小した外商のマーケットで、学校での問題集販売など新たな読者育成と需要創出に取り組んでいる。こうした取り組みを支えるためにもシステムの進化に期待を寄せている。