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事例紹介

Case

書店システム

煥乎堂(前橋市)
明治以来、店売・外商・音楽事業で成長
システムで店頭と外商の在庫連携など進める

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書店システム
BookAnswer4
煥乎堂(前橋市)
(文化通信BBB 2021/7/5 掲載)

 


前橋の中心部にある1993年建設の本店

 


蛭川店長

株式会社煥乎堂

代表者 小林卓郎
資本金 5000万円
従業員数 約100名
所在地 〒371-0023
群馬県前橋市本町1-2-13
電話 027-235-8111

群馬県前橋市に本拠を置く老舗書店の煥乎堂は、店舗での書籍・雑誌の販売とともに学校を中心とした外商活動、そして楽器販売や音楽教室など音楽事業を展開する。システムではこれら商品や販売ルート別の在庫管理や連携が課題だ。2019年には光和コンピューターのバックオフィスシステム「BookAnswer4」を導入、さらに今春には教販からの入荷データ取り込みのチャレンジも開始した。

明治時代に出版事業など展開

同社が前橋市の中心に置く6階建て900坪の本店は、1~3階の約500坪が書店部門、4階が楽器売場、5階が音楽教室と「煥乎堂ホール」、6階に事務所がある。さらに本店のほかに音楽教室が12カ所、そして外商部がある。
創業期の資料は戦災で焼失してしまったというが、明治初めから高崎市で出版業を含めた商売をはじめていたと見られ、奥付に「煥乎堂」と入った 1875年(明8)刊の出版物が存在する。
当時は出版事業のために東京・日本橋にも事務所を置いていたというが、明治10~20年頃に現本店の向かいの場所で書店を開業。1977年に駐車場などに利用していた現本店の場所に音楽教室とホール、楽器販売の音楽センターを開設、ここに書店も移し、1993年に今の店舗を建設した。

高度成長期に楽器事業が拡大

開業当初から教科書販売をはじめとした学校への納入業務が多く、そのために楽器や体操着なども扱うようになった。その後、昭和30~40年代の高度成長期に多くの家庭がピアノやオルガンを購人したり、音楽教育が盛んになったことで楽器ビジネスが拡大した。ただ、今でも教科書や学校採用品を合わせると出版物の売り上げが大きいという。
昨年来のコロナ禍では、教科書販売の期間が短くなるなど多少の影響はあったが、それ以上に影響が大きかったのが電子辞書の売り上げ低迷だった。
学校が休校したことなどで子どもたちに1人1台の端末を普及させる「GIGAスクール構想」が加速。群馬県でも全高等学校でタブレット端末が1人に1台普及したことで、今年春の新学期はこれまでに比べて電子辞書の売れ行きが大きく減少した。

「BookAnswer4」導入で棚番管理可能に

店舗のPOSなどは、かつて取次会社のシステムを利用していたが、外商システムがなかったため、2007年に光和コンピューターの店舗システムと外商システムを導入した。基本的なシステム内容は変わらなかったが、店売と外商で在庫の連携が可能になった。また、ISBNが付いた楽譜類もPOS管理し、楽器販売は金額入力で対応している。
2019年9月には消費税税率アップへの対応のためPOS端末を入れ替え、合わせてバックオフィスも「BookAnswer4」に更新した。これにより、在庫の棚番管理が可能になり全体的なパフォーマンスも向上したという。
また、今まで手入力だった教科書や採用品など教販ルートでの入荷情報をデータに切り替えることに今春からチャレンジを開始。来春には本格化させる予定だ。

多様な在庫管理を希望

今後のシステム化について本店店長の蛭川幸則店売部次長は、在庫管理の切り口を棚番管理よりもさらに多様化させることを希望している。今は手作業で加工している著者別の売れ行き管理などがスムーズになれば、品揃えなど店作りに役立つからだ。
一方で、キャッシュレスやセルフレジなどについてはいまのところ様子見だ。取り扱いが多い教科書や採用品は現金決済が基本なことや、来店客に高齢者が多いことなどが理由だ。
それでも店舗では周囲の店が導入している決済手段への問い合わせはあるといい、コロナ禍で現金のやりとりを敬遠する風潮もあるため、今後は設備投資の規模などを見据えながら検討していくという。