株式会社三栄
進化を続ける「PUBNAVI」で売上登録効率化
出版システム
株式会社三栄
(文化通信 2026/6/9 掲載)


(左)6月12日発売の『ドカベン』11巻
(右)初の“電子→紙”となるFUDGE特別編集『THE FLOWER BOOK』
宮外次長
株式会社三栄
| 代表者 | 鈴木賢志 |
|---|---|
| 創 業 | 1947年 |
| 設 立 | 1952年 |
| 資本金 | 9800万円 |
| 従業員 | 141人 |
車やバイクなどモーター関連雑誌を中心に刊行する株式会社三栄は、数多くの電子雑誌・電子書籍を販売している。光和コンピューターの支払管理システム、マイナンバー管理システムに続き、「PUBNAVI」の導入によって、煩雑だった売上登録作業が効率化できたほか、自社の作業に特化したシステム改修への対応なども実現した。
同社は、モーター雑誌を中心に、ファッション、カルチャーなどの分野を含め、定期雑誌約20誌とムックなどを年間300~350タイトル刊行する。このうち約半数がモーター関連だ。
今年1月からは「三栄コミックス」として水島新司『ドカベン』の刊行を開始。2023年に同社が刊行した『水島新司 全仕事』をきっかけに復刊の話が進み、生原稿をスキャンして初出時に近い形で全24巻に再構成。月2巻ずつ刊行している。
5月までに10巻を発売したが、1巻は初速から好調で5月に重版を決めるなど「各巻とも回転は良いです」(宮外憲生販売統括部次長)と好調に推移している。
独自サイトで電子書籍販売開始
電子書籍は、11年にモーターに特化した電子書籍サイト「ASB(オートスポーツブックス)電子雑誌書店」を立ち上げた。権利関係で電子化が難しいものなどを除き、データが残っていない古いものはスキャンするなどして、過去にさかのぼり、ほぼ全ての雑誌、ムック、書籍を電子化している。このため電子書籍の刊行点数は1万点以上に達する。
外部サイトへの配信は、Amazon「Kindle」をはじめとして、NTTドコモの「dマガジン」、楽天の「楽天マガジン」などへ展開。取引先は20社ほどに達している。雑誌中心のためサブスクリプションの「dマガジン」「楽天マガジン」の販売比率が高い。
売れ行きは、「販路が広がり順調に伸びています」(販売統括部・宝示戸亜矢子氏)といい、紙版売上の15%ほどに。
サブスクサービスでは手軽に読めるカルチャーやファッションなどの一般誌がよく読まれる。一方、モーター関係では「ASB電子雑誌書店には年配のユーザーも多く、かつての名車など歴史的なコンテンツにも需要があります。また、ニッチな固定ファンもいて、そういう方は電子版の配信日に必ず購入されます」と宮外次長。専門特化した長年の蓄積がファンの心をとらえている。
6月には電子版オリジナルの商品を紙版で発売する初の“電子→紙”が実現する。ファッション誌『FUDGE』の人気連載「彼女の好きな花」をまとめ、昨年6月に電子書籍『THE FLOWER BOOK』として刊行し好評だったため、プリント・オンデマンド版を100部限定で発売。本誌のインスタグラムなどで告知すると30分ほどで完売した。
このため、今年6月11日にはムック版『THE FLOWER BOOK』(A4変型判・128㌻)を刊行する。発行部数は1万~1万5000部を見込んでいる。
タイトル・コード紐づけ作業が軽減
電子書籍の管理は、ASB電子雑誌書店開設時に独自のCMSシステムを構築。22年にOSのバージョンアップなど環境変化に対応するため「PUBNAVI」を導入した。
以前のCMSの商品マスタは、独自の商品コードで管理しており、電子書店からの売上報告は各電子書籍のタイトルをキーに紐づけしていた。売上報告は電子書店ごとにフォーマットが違うため、フォーマットを成形してCMSに読み込む必要があったことに加え、手作業で商品コードとタイトルを紐づけしなければならないことも多かった。
「電子書店ごとにタイトル表記が変更されているケースも多く、毎月の売上登録における紐づけ作業は1日では完了しませんでした」と宝示戸氏は振り返る。
「PUBNAVI」について、宝示戸氏は以前から注目し、セミナーなどにも参加していた。光和コンピューターとは以前から支払管理システム、マイナンバー管理システムを利用している関係でもあった。
導入時はマスタに登録された約20万件の商品コードを精査するなど手間がかかったが、光和コンピューターのサポートも得て約半年で稼働できた。また、電子書店に対して、売上報告に自社の商品コードを入力してもらうよう依頼し、主要な電子書店から対応を得ることができた。
この結果、「売上報告をそのまま取り込めるものが多くなり、作業の手間と時間が少なくとも50%は削減できました」(宝示戸氏)という。
また、読み込みエラー表示からの修正を容易にするなど、光和コンピューターが同社や他出版社からのリクエストを受けてシステムのバージョンアップを実施した。「かなり協力していただき、快適に利用できています」と宝示戸氏は高く評価している。
光和コンピューター